ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ビル・マーレイ、ケイト・ブランシェットなど超豪華俳優陣が集結し、第二次世界大戦下にナチス・ドイツ軍によって強奪されたヨーロッパ各国の美術品を奪還すべく戦場に向かった特殊部隊"モニュメンツ・メン"を描いた衝撃の実話『ミケランジェロ・プロジェクト』が公開されている。
第二次世界大戦下においてナチスが繰り広げた所業の凄惨さに並ぶものは、歴史上後にも先にもないといっても過言ではない。美術品や貴重な書物、宝石、金塊、古物などだけではなく、アムステルダムのトラム300台、教会・聖堂鐘5000個、何千という家財道具までもが母国ドイツの生活向上のために奪われ、特に美術品に関しては、美術館、教会、果てには民家から500万点以上もの点数が略奪された。
なぜそれほどまでに、ヒトラーは戦場において役に立つものとはいえない美術品に固執していたのか?
実はヒトラーはアーティストになることを志し、ウィーン分離派(美大)の受験に二度挑戦するほど、大の美術愛好家。受験の失敗により夢を絶たれた彼の情熱はいつしか、育ったオーストリアのリンツの街を、巨大な近代都市に発展させることに注がれるようになった。その、"夢のメトロポリス"構想の中心となっていたのは、Fuhrermuseum(ヒトラー総統博物館)を設置すること。そこに世界中の偉大な美術品、絵画、彫刻、タペストリーなど、彼が手にしたいと思ったもの全てを集め、展示しようと考えていたのだ。強奪されたダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロらの偉大な芸術家たちの作品は、その博物館への展示が目的で集められていた。
しかし、そんな野望も空しく戦況は傾き、ヒトラーは不本意ながらも無条件降伏を受け入れる意思を表明するにまでに追い込まれる。しかし、「ドイツが我がものにならないのであれば、他の誰の手にも渡さない」という思いからかの有名な"ネロ指令"が1945年3月に発令され、「もし私が死んだら全てを破壊しろ、橋も鉄道も、通信機器も、全てをだ」と言う宣言の通り、全てが破壊されようとしており、それは美術品も例外ではなかった。
そこに立ち上がったのが、芸術のプロフェッショナルだけで結成された特殊部隊"モニュメンツ・メン"!戦場経験のなかった彼らは、ただ美術品を守りたいという想いだけでヒトラーと対峙。慣れない戦場を駆け巡りながら、世紀のトレジャーハンティングを遂行した。
エンターテイメント作品としても高い完成度を誇る本作だが、誰にでもこの歴史を知って貰えるよう、本作の制作を誰よりも熱望したクルーニーは根本にある想いをこう話している。「我々も、観客も、忘れてはならないのは、彼らはヒトラーの手になんか渡したくないから取り返そうとしてたんだってことだ!」
モニュメンツ・メンはヒトラーの野望を打ち砕けるのか!?その結末はぜひ劇場でお確かめあれ。
https://youtu.be/poVQOnNzrRc
『ミケランジェロ・プロジェクト』は絶賛公開中
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■参照リンク
『ミケランジェロ・プロジェクト』公式サイト
miche-project.com
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