先日ポストシーズンでの敗退を受け辞任したロサンゼルス・ドジャースのドン・マッティングリー監督の後任候補に、元巨人のゲープ・キャプラーが急浮上した。
キャプラーは2011年にドジャースとの契約解除を機に引退。FOXテレビの解説者での成功を経て、今年ドジャースのファームディレクターに就任。早くもその能力を買われ監督に急浮上する、指導者としては飛び級ともいえる評価を得ている。
日本でのプレーを考えるとにわかには信じられないが、メジャーでは選手時代の実績よりも豊かな野球経験や分析力がモノを言う。それを象徴するように、日本帰りの元選手たちがMLBの錚々たるチームの重要なコーチ職についているのである。
現在ワールドシリーズを戦う、ニューヨーク・メッツのテリー・コリンズ監督(元オリックス監督)がその筆頭。超強力打線で球場を盛り上げ今年22年ぶりのアメリカンリーグ地区優勝に輝いたトロント・ブルージェイズの打撃コーチは元中日ドラゴンズのブルック・ジャコビー、同じくブルージェイズの投手コーチは、1年だけ横浜に在籍したピート・ウォーカーだ。
さらに今シーズン躍進したチームで言うと、元日本ハムの監督として優勝経験もあるトレイ・ヒルマンもその一人。カンサスシティ・ロイヤルズの監督業で挫折しつつも、今年大躍進を遂げたヒューストン・アストロズのベンチコーチとして手腕を発揮した。
ロサンゼルス・エンゼルス打撃コーチ補佐のデーブ・ハンセン(元阪神)、ワシントン・ナショナルズ打撃コーチのリック・シュー(元日本ハム)。トニー・タラスコ(元阪神)に至ってはマイナー組織コーチ時代にあのブライス・ハーパーを育て、現在は一塁ベースコーチ及び外野守備コーチなどを兼任している。その他にもスコット・クールボー(元阪神)がボルチモア・オリオールズ、アロンゾ・パウエル(元中日)がサンディエゴ・パドレス、タイ・バンバークレオ(元西武/広島)がクリーブランド・インディアンスそれぞれの打撃コーチを3年以上務めている。
「なぜこれだけ日本帰りが多いのか?」と度々議論になるMLBコーチ陣たち。その多くは「データ分析など日本野球で培った多くのことがその後の経験で役に立った」と口を揃える。データ野球といえばアメリカの方が盛んな印象だが、日本野球独特の配球や日本時代に得た"全く違った野球環境への適応"経験が現役引退後に大きな財産になったのは確かだ。
パウエルのように大活躍した選手も稀にいるが、ほとんどが記憶の片隅にしか残ってない選手ばかり。コリンズ監督のようにワールドシリーズ進出まで行く名将とまでは行かなくとも、その多くが選手として平凡だったゆえにセカンドキャリアでの野球人として現在素晴らしい輝きを放っている。
https://youtu.be/HSsdO5jDl8o
https://youtu.be/dClYoMkaOCM
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