25日に放送された第2話が、第1話の平均視聴率を上回る17.8と上々のスタートを切ったTBSドラマ『下町ロケット』。主人公で、ロケットの技術者あがりの町工場の社長、佃航平の不屈の精神と夢を描いた大作だが、早くもセリフの数々が「技術者の鑑だな」「技術者魂を感じる」「熱すぎる!」と好評だ。
大手企業に独自技術をパクられ逆に訴えられるという苦難に直面した佃製作所。そんな特許を巡る裁判で、阿部寛演じる佃航平が裁判の証言の場で語り狂う「技術者論」に胸を熱くした人も多いはず。
「技術者はみんな自分の無力さを知ってるよ。毎日、壁にぶつかってばかりだからな。昨日できなかったことが今日できるようになる。今日分からなかったことが明日分かるようになる」や「(仮に裁判に負けたとしても)培ってきた技術力だけは決して奪えない。正義は我にありだ!」「技術者はお金のために研究してる訳ではない、おもしろいからだ」などすでに名言製造機としてのポテンシャルは十分。
長い間社会問題化してきた中小企業が抱える貸し渋りに関しても厳しく糾弾。佃製作所に中々お金を出さなかった銀行が裁判が有利に進むと手のひら返し、ここでも阿部寛の「いい時も悪い時も信じ合っていくのが企業とメインバンクでしょうが」と一撃で瞬殺。支店長の東国原英夫や係長役の春風亭昇太の憎たらしすぎる演技から土下座という流れなど、判りやすい「メシウマ」な展開も見逃せない。
その他のバイプレイヤーも熱い。国産ロケットを飛ばす計画のために佃製作所の特許をなんとかして手に入れようとする財前役の吉川晃司のカッコよさや、「ど根性ガエル」のゴリライモにしか見えない技術者、富山役の新井浩文の相変わらずの死んだ目や、「やりたいことがある」という度に「ケーキ作りかよ?店出したいのかよ?」とこれも前作の朝ドラからまだ視聴者も抜けきれてない佃航平の娘、利菜役の土屋太鳳など見どころは多い。
池井戸潤原作と時間枠も一緒ということで、「ネクスト半沢直樹」的な期待もあった『下町ロケット』だが、個性的なキャストや阿部寛の名言の数々から早くも名作の予感しかない。
昨今、外国企業などの容赦無い特許戦争に巻き込まれることも多くなった日本企業、特に日本の町工場の技術を巡り海外企業と係争するケースも増えているだけに、技術者魂全開の言葉にしても「そんな情に訴える作戦が通用するのか?」と『下町ロケット』のような理想論を言ってられないのが現実だが、ドラマだけでも夢を見たいそんな人達にとってはたまらない内容であるのは確かだ。
■参照リンク
「下町ロケット」公式サイト
http://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/
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