レッドブルのスポンサードでF1に参戦しているレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロ・ロッソの2チームが、来季の搭載エンジンを供給するメーカーがないことから撤退の危機にさらされている。
レッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナーは、本来なら来季の体制がほぼ決まっている9月末になっても、契約するエンジン=パワーユニットがなく、このまま確保できなければ来季の撤退を免れない、きわめて危機的状況にあることを明かした。
2010年から、ルノーエンジンと共にチームコンストラクター、ドライバーズタイトルのダブルタイトル4連覇を記録するなど、常勝チームとしてF1界に君臨していたレッドブル。昨年より、使用しているルノーのパワーユニットの出来の悪さから、チャンピオン争いはおろか、中断に沈む状態が2年続いており、蜜月だったルノーとの関係も険悪なまま解消。
エンジン供給を一方的に切られたルノーは、かつて売却したロータスを買収する形で、再度ルノー・ワークスとしての活動を始めた為、ルノーがパワーユニットを再度レッドブル系2チームに提供する可能性はほぼ消滅した。
レッドブル、およびトロ・ロッソは当初、フェラーリエンジンの提供を求めていたが、フェラーリの技術責任者のジェームス・アリソンや、一昨年、レッドブルに追われるようにフェラーリへ移籍したエース、セバスチャン・ベッテルらが、あくまで型落ちのエンジンの供給のみを求めたため破談。今季参戦し思うような成績を収めることができていないホンダ・エンジンでさえも、ホンダの第一の供給先であるマクラーレンの抵抗により、獲得は難しい状況だ。
レッドブルにとって、さらに都合が悪いのは、兼ねてから噂のあったアウディへのチーム売却が、グループのフォルクスワーゲンのエンジン不正問題により完全にご破算になったことだ。売ることもできずに、来年載せるエンジンも無いとなると2チームの4つのシートは撤退で消滅することになる。
9月29日に、アメリカ発の新チーム、ハースが発表会を行い、1チーム増えたとはいえ、レッドブルとトロ・ロッソという有力2チームが撤退すると、9チーム18台とますます参加チームが減少してしまう。今回の件は、単なるチームの撤退問題に収まらず、レース運営そのものを大きく左右することになりそうだ。
https://youtu.be/ON4NV83FNpE
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