結論から言えば、なにしろこの餓鬼レンジャー、デビューから20周年を迎え、メンバー全員が40代に足を突っ込みながらも、「ビンビン!!」で「ノリノリ!!」なのである。
00年代初中期に数々のヒップホップ・クラシックを生み出し、日本語ラップ・シーンを牽引する存在でありながら、突如として活動は停滞。しかしその後、ソロでの活動や散発的なリリースを経て、2013年リリースのベスト盤「WEAPON G」、そして2014年リリースの8年ぶりのフル・アルバム「KIDS RETURN」でシーンに復帰を果たした餓鬼レンジャー。そして、その勢いのまま、結成から20周年を迎える今年、ニュー・アルバムとなる「祭事」を9月16日にリリースする。
その内容は、タフなメッセージ・ソングあり、餓鬼レンジャーの内面が見えるようなエモーショナルな曲あり、単なる悪ふざけあり、エロあり、そしてエロあり! と、「餓鬼レンジャーらしい」としか言えないバラエティの豊かさを誇っている。また、オノマトペやラジカルな言葉遣いとフリーキーなフロウを叩きつけるポチョムキン、固く踏まれた韻と韻との繋がりとタフなメッセージ性を形にするYOSHI、そしてEDMからディスコ、ブレイクビーツまで多彩なサウンドで作品を彩るGP a.k.a. NOBUのトラックと、そのトライアングルが描き出す楽曲は、一曲一曲が超強力だ。
しかも、その楽曲群に通底するのは、タイトルの「祭事」に通じる、アッパーでノリの良い、派手な空気感。「熱い曲やタフな曲に加えて、もっと弾けてて、おバカな曲も提示するのが、餓鬼レンジャーのカラーだと思うんですよね(GP)」「僕らなりの40代の表現というか、こんなクレイジーなおっさんたちが未だいるんだよって事を表現したかったし、それが出来るのが、餓鬼レンジャーかなって(YOSHI)」「だから『こういう人たち、他にいないよな』っていう作品になったと思いますね。そういう、僕らのオリジナリティが曲ごとに入魂できた作品ですね(ポチョムキン)」
その意味では、20周年を迎え、年齢的にも「いい年」になりながらも、改めて「ヒップホップをやる意味」「餓鬼レンジャーである意味」を形にしたといってもいい本作。そのモチベーションはどこにあるのだろうか。
「自分がヒップホップを聴き始めた頃のように、今のリスナーを自分達の音楽で驚かせたいし、驚かせられる自信があるんですよね。そういう、ピュアなモチベーションがあるし、その気持ちを持ちながら、餓鬼レンジャーで作品が作れるっていうのは、幸福なことだなって。加えて、俺らと同世代はやっぱりシーンから減ってしまったけど、それでも、俺達の作品を聴いたら同年代にアガったって言って欲しいし、そういう気持ちにさせたいんですよね(ポチョムキン)」
「僕は昼間は普通の仕事をしてるんですが、仕事をしていて物足りないものが音楽であるって事に、餓鬼レンジャーの活動をほぼしていなかった8年間で気づいて。だから自分の中では、バランスを取るための必要な表現だと思いますね。自分が自分であるためのメッセージだったり、残さなきゃいけないものが、音楽やヒップホップ、餓鬼レンジャーにはある。加えて、自分がやってきたこの趣味以上のモノを、子供が大きくなった時に、ちゃんと分かって欲しいなって(YOSHI)」
「ヒップホップに出会って格好いいって感じた初期衝動は、ずっと変わらないんですよ。音を作る立場としては、ヒップホップ以外の楽曲も作るけど、やっぱり自分の中心にあるのは、ヒップホップなんです。なにより、このメンバーと音楽が、ヒップホップが出来るっていう喜びが、音楽を発信する、餓鬼レンジャーで活動するモチベーションですね(GP)」
餓鬼レンジャーの祭はまだ始まったばかり。踊るなら今だ!
https://youtu.be/iCWwXhtienQ
■参照リンク
餓鬼レンジャー 公式サイト
http://www.gakiranger.jp/
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