ついに開始した世界最大のインターネット動画配信サービス「Netflix」。そのオリジナルドラマの目玉とされているのが、『マトリックス』『クラウド アトラス』のラナ&アンディ・ウォシャウスキー姉弟監督が初めて手掛けたドラマ『センス8』だ。
サンフランシスコ、シカゴ、ロンドン、レイキャビク、ソウル、ムンバイ、ベルリン、ナイロビ、メキシコシティの世界8ヶ国9都市を舞台に、各地に散らばる見知らぬ他人同士である8人の男女が、ある日を境に暴力的な幻覚を体験し、お互いの思考、行動、感情に感応する能力を与えられた姿を描く本格SFドラマ。「12時間の一大長編映画」と称され、すでにシーズン2の配信も決定している本作で、ある秘密を抱えた韓国の大企業の重役でありながら格闘家としての顔を持つ、サンを演じた韓国を代表する女優ぺ・ドゥナ。少女のようなあどけなさを残しながらも、今や35歳になり、すっかり大人の女性になった彼女にインタビューを行った。
――ぺ・ドゥナさんから見る本作の魅力をおしえてください。
この作品には、様々なストーリーや登場するキャラクターの数も多いので、最初は難解な印象を受けるかもしれないけど、でもこの点がドラマの長所だと思うんです。映画は2時間の中に全部を詰めなければいけないけど、ドラマは12時間という時間が与えられているので、むしろこの作品はドラマに適した物語だと私は思ってます。
1~2話くらいまでは難しいんですが、そのまま見続けていると3話でハマって5話以降は決して見ないわけにはいかないと思いますよ(笑)。またこの作品を通して、いろんな文化に触れることができるのも長所ですね。ムンバイのフェスティバルやサンフランシスコのパレードなど、いろいろな都市が持っているカラーを知ることができます。あと主要の登場人物の8人は、社会の中では決して平凡ではないアウトサイダー的なキャラクターなんですけど、多くの方が共感して魅力的に思っていただけると思います。
――ぺ・ドゥナさん演じるサンのキャラクターがどんどんカッコよくなっていきますが、演じる上で気を付けたところなどありますか?
私もサンという女性はとてもカッコよいと思います。彼女は子供の頃に母親を失ってから、長い間ずっと気持ちの鍛錬をしてきた人物で、だからこそ落ち着いてるし冷静なところを持ち合わせてるんですね。そしてその落ち着きは、過去に荒波を乗り越えてきたからだと思うんです。だから、彼女はカリスマ性があり、ある意味戦いを楽しんでいるところがあります。実はサンは、戦っているときだけ唯一微笑むんです(笑)。それくらい彼女は戦いを楽しんでいて、彼女にとって戦う事が唯一の出口のような、現実から抜け出せるところだと思ってます。
――アクションはいかがでした?
アクションは私にとって初めてで、長い間練習しました。でも監督が、現場でいろんな事を変更していくんです(笑)。練習を1ヶ月やっても現場で変えられるので、即興的に演じたり融通を利かせることが監督の現場では必要でした。練習している時もあまり信じてなかったです(笑)。常に「これ本当に使うのかな?」と思ってました(笑)。
――そんなラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督はドゥナさんから見てどんな人ですか?
今回の作品を一緒に組むことができて、さらに尊敬の気持ちが高まりました。この作品はグリーンスクリーンやCGをほとんど使っていないんです。人が入れ替わるSF的なシーンも、振付のように演技をするんです。そういったアイデアが監督の中では明確にあるんですね。だから台本を最初に読んだ時も、「これどうやって撮影するんだろう?」という、全く想像がつかないシーンも、いとも簡単にカメラワークだけで切り替えていくんです。そういうところを見て、『クラウド・アトラス』や『ジュピター』の時よりもさらに尊敬の気持ちが強まりました。
――監督とは今回3回目となりますが、驚いたような出来事はありましたか?
私なかなか驚かないんです(笑)。既に韓国でいろんな監督さんたちとやってきて、いろんなことに慣れてきてしまったので、ちょっとやそっとの事では驚かないんですが。そうですね、、、一番驚いたのは、私のオフィスのシーンがあるんですけど、急に鶏が出てくるんです。あれはCGと思ってたので、まさか本当の鶏が出てくるとは思ってなくて(笑)、本物の鶏が机の上に上がってきたので、驚きました。
https://youtu.be/qV8eGdHG4oo
『センス8』はNetflixで配信中
■参照リンク
「Netflix」公式サイト
www.netflix.com/
| Email this | Comments
コメント
コメントを書く