『アオイホノオ』、『新解釈・日本史』、『裁判長っ!おなかが空きました!』、『天魔さんがゆく』、『メグたんって魔法つかえるの?』、『コドモ警察』そして『勇者ヨシヒコと魔王の城』・・・挙げれば切りがないほど、ここ数年の深夜ドラマは福田雄一が演出したドラマが席巻しています。いまや深夜のコメディドラマ=福田雄一と言っても過言ではない存在です。なぜこれほどまでに深夜ドラマを成功せさ続けてられているのでしょうか。
その成功の裏には「逆転の発想」がありました。それを福田雄一は『21世紀深夜ドラマ読本』のインタビューで語っています。たとえば低予算の冒険活劇『勇者ヨシヒコ』シリーズのコンセプトは「ファミリー向け」。深夜ドラマといえば若者がひとりで見るというイメージですが、それを逆手にとったのです。深夜だからエッチなもの、グロテスクなものという発想の真逆を行って成功しました。
『コドモ警察』もそうです。子役たちが警察に扮したこのドラマは放送されると「深夜になんで子どもが出ているんだ」と抗議が殺到したそうです。それを聞いて福田は「大成功だ」と思ったそうです。なぜならザッピングした時にびっくりされた証だからです。福田は元々はバラエティ番組の作家をやっていたこともあり、「ザッピングしたときにどういうものが目に留まるかっていうことをすごく考える」そうです。そのひとつの答えが"深夜にファミリー"だったのです。
「ザッピングしてて目が留まるのは、やっぱり『なにこれ?』とか『誰これ?』」だと。
だから『新解釈・日本史』でも主演のムロツヨシ以外はテレビではほとんど見ることのない若手俳優や芸人で固めました。一度、プロデューサーからは、何をやっているかテロップで出したいと提案されても断わりました。ここまで読めばその理由がわかるはずです。
「なにをやっているかすぐにわかったら、それに興味がない人はチャンネルを替えてしまう。でも、なにをやってるんだろうって1回止まれば、あとは引っぱれる自信がある」と。それこそが、福田雄一流の深夜ドラマの極意なのです。
文/てれびのスキマ
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