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三池崇史VSジョージ・ミラー!日米マッドバイオレンス映画監督の夢の頂上決戦が実現

2015/06/20 10:00 投稿

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Filed under: カルチャー, 映画

日米バイオレンス映画の巨匠監督の夢の対談が実現した!
オーストラリアからハリウッド映画の頂点まで昇りつめたジョージ・ミラーと、日本から世界に挑み続ける三池崇史。エンターテイメント性と作家性を併せ持ち、映画にこだわり続ける〈映画屋〉2人の初対談が実現した。


伝説のヴァイオレンス・アクションシリーズが30年ぶりに復活したミラー監督の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、文字通り全編にわたってノンストップでアクションが展開する超大作。一方、ヤクザ・ヴァンパイアの壮絶な戦いが繰り広げられる三池監督の『極道大戦争』は、監督デビューから4半世紀を経て原点となる"Vシネマ・スピリッツ"を甦らせたアクション大作だ。

共に超低予算アクション映画からキャリアをスタートさせた2人が、原点回帰となるアクションにこだわり抜いた新作をメジャー大作として完成させ、ここ日本で同日公開される。「若いころにすごく影響を受けた」という『マッドマックス』シリーズ直撃世代の三池監督は、「ミラーさんとお会いして話せるのがとても光栄。そんな繋がりが生まれるのが、映画の持つ力だと感じる」と語った。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観た三池監督は、「今回マックスを演じたトム・ハーディにしか出せない空気、カッコよさが出ているなと思いました。『座頭市』みたいな日本映画的美学を持っていて、それは監督やハーディの《マックスってなんだ?》という疑問への答えなんだと思います。ため息が漏れました」と絶賛を惜しまない。


対談の席に現れたミラー監督は、三池監督が手にしたマッドマックス仕様にカスタマイズされたカエルのぬいぐるみに興味津々。実はこれは『極道大戦争』に登場する〈現代の怪物にして世界最強のテロリスト〉と呼ばれるキャラクター。ミラー監督から「なんて名前だ、コイツは?」と尋ねられた三池監督が「"KAERUくん"です」と紹介すると、「ミスター・フロッグ!? ファンタスティック!!」と、すっかり気に入った様子。『ベイブ/都会に行く』『ハッピーフィート』などで子ブタやペンギンを主人公に映画を作ってきたミラー監督の「ミスター・フロッグのアイデアはどこから生まれたんだ?」という質問に三池監督が「日本には"ゆるキャラ"というのがありまして......」と、KAERUくんの原点となったゆるキャラの説明を始める一幕も。

こうして和気あいあいと始まった対談は、三池監督の意外な告白が最初に飛び出した。

実は僕もトム・ハーディと一緒に仕事をする予定だったんですが、クランクイン直前になって彼にドタキャンされまして。それでスケジュールが空いたので、何かやろうと思って作ったのが『極道大戦争』なんです」。するとミラーは、「そうか、どうりでミスター・フロッグがトム・ハーディに似てると思ったよ(笑)」とユーモアたっぷりに返答。そして、アクション映画への原点回帰、同日公開と2作の共通点を知ると「私と一緒じゃないか!」と、すっかり三池監督に親しみを感じた様子。


続けて三池は、「新作の『マッドマックス』には痺れましたよ。こんなに面白い映画がキャリアを重ねても作れるものなんだなと思いました。普通は衰えていくものなんですけど、よりヤバくなってる」と称えると、ミラーは「新たに作ったおかげで、三池監督をはじめ世界中のフィルムメーカーから嬉しい言葉をもらえたのが本当に嬉しい。私もいい作品に出会うと、すごくエネルギーをもらえるんだ」と嬉しそうだ。

続けて三池は、「作品そのものも非常に楽しんだし、最高に興奮したんですが、同時に僕ら映画を作る人間からすると、『マッドマックス』を観てしまうと、世界中の映画人は作れない理由を状況のせいにできなくなったなと思いました。《作るか、作らないかだけ。それはアナタの問題だ》と、ミラーさんから突きつけられたような気がしたんです」と語ると、ミラーは「1週間前にスティーブン・スピルバーグから電話をもらって、今、三池監督が言ったようなことを彼もすごく興奮しながら言ってたんだ。私もスピルバーグをはじめロバート・ロドリゲスやJ・J・エイブラムスといったアメリカのフィルムメーカーからエネルギーをもらって、もっと映画を作りたいという気持ちになったからな」と語った。

そして「最近の僕は、最初に映画を撮りだした頃の情熱はまだあるつもりなのですが、自分で自分を焚き付けなきゃ行けないところがあるんです」と語る三池に、ミラーは深くうなずきながら「映画を作り始めたときは、みんな熱意と情熱だけだったからな!」と同意した。三池は「そうなんです。今回の『マッドマックス』を観て、これから映画を続けるには、辞めるか原点に戻ってもう一回ゼロからやるか覚悟しなきゃいけないと思いました」と影響を受けたことを語った。

『極道大戦争』の撮影では、「体は30代の頃のようにはいかない」と弱音を見せることもあった54歳の三池監督。だが、70歳で『マッドマックス』を作り上げたミラー監督を前に「言い訳できないなと思いましたね。やるか、やらないかだけですよ。言い訳を考えてるヒマがあったら、ローバジェットでもいいからもう一回、一から作れっていうことですよね。映画を作る人間に色んなことを教えてくれるのが『マッドマックス』です」と語る。


映画との戦い方について熱い言葉が交わされた後、三池監督が「ところで、映画の中で、僕にもできる演出が一つだけありました」と告げる。「どこだい?」と興味深そうな顔で尋ねるミラー監督の前で、おもむろに頭の後ろに手をやり、劇中でマックスがしきりに繰り返したヤスリで顔に取り付けられた鉄仮面を外そうとする仕草をやって見せる。「あのカシャカシャカシャってやつです」。するとミラーは「ハハハハ!!! あれは最初から脚本にあった設定なんだが、マックスは自由になるために脱出しようとしているので、いつもああやってるのさ」と告白。三池は「ヤスリさえあれば、僕の映画でもできる(笑)。あれ以外は、とても自分には撮れませんが」と本音を漏らすと、ミラーは「三池監督なら他のシーンも撮れるさ!」と励ました。

今年のカンヌ映画祭に共に出品された『マッドマックス』と『極道大戦争』。それぞれ特別上映と監督週間での上映となったが、三池崇史監督は新作の撮影中で参加できなかった。そこで、カンヌでは来場者に三池監督が着物姿で女装したカードがお詫びの思いをこめて配られた。ジョージ・ミラー監督にもそのカードをプレゼントした三池監督。唖然としながら、カードを見つめたミラー監督。しばらくの沈黙の後、「とっても綺麗だよ」と語った。

全く異なる土壌から生まれながら奇妙な因縁を感じさせる2人の〈映画屋〉の原点回帰。そして、ここから新たな映画の始まりも予感させる『マッドマックス』と『極道大戦争』。同日に公開される2本の映画は、間違いなく世界で最もマッドなアクションが凝縮された映画の進化形になりそうだ。

https://youtu.be/5YXPObqkgew


https://youtu.be/zenRD8CNaJ0


・『極道大戦争』は6月20日(土)TOHOシネマズ 新宿ほか 全国公開
(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は6月20日(土)、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリー他2D/3D & IMAX3D公開
(C) 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

■参照リンク
・『極道大戦争』公式サイト
http://www.gokudo-movie.com/
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/

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