映画『騒音』で監督デビューを果たした関根勤監督に直撃取材! 地底人が吐く有毒ガスの悪影響で人間たちは戦意を喪失してしまうが、ガスへの耐性を有するオヤジたちが立ち上がるSFコメディーだ。初監督へのプレッシャーがあったという関根監督だが、あの大傑作「カマキリ伝説」が基礎にあって助かったとか助かっていないとか!? 必読・必見です!
――地底人というアイデアは、どうやって生まれたのですか?
日活のCS番組「映画ちゃん」で一年間番組をやっていて、その時にずんの飯尾(和樹)君と映画を撮ろう、みたいな話をしたことがありました。気軽にコメディーをやろう、SFアクションだな! とか、どうせ実現しないと思っていたので適当なことを言っていたんですよ(笑)。
で、予算も低予算のはずで、宇宙人だとコスチュームに金がかかる、円盤も撮影が大変だって。そうだ、地底人は穴から出てくればいいわけで、そこでハッキリと地底人という言葉が登場した(笑)。だから、2013年ですかね。でも、昔からどこかで考えていたような気もします。まあ、地底人の映画は、邦画では初めてじゃないですか? 海底人はありますどね(笑)。
――意外にも映画、初監督なんですよね。
ええ。最初はプレッシャーで逃げ出したかったけれど、撮影が始まったら、まあそれは楽しかったです。60歳すぎて、ここまで楽しいことがあるのかと。皆でニコニコ笑いながら、夢のような二週間でしたね。監督業って、一つの作品を撮るために、こんな大変なだってわかりましたよ。演者として現場に行ったことはあるけれど、スタッフとして作る側に回ったことがなかったので、演者の実力も理解できた。皆さん、骨の髄まで上手いですね(笑)。だから、ここまで売れっ子なのかと思い知らされました。
――皆さん演技派ですよね。キャストの皆さんには、どういう演出を???
実は今回、僕は俳優さんに一切演出していないんですよ。僕の想像よりも、皆はるかに面白かったから(笑)。僕が唯一演出したシーンは、シゴキのシーンですね。あの女性教官役の方には、シゴキ方を演出しました。ここで温水(洋一)さんの足を蹴って、「お前、演技してんじゃねえよ」とか、「人妻抱いてんじゃねえよ」とか(笑)。そこだけです。親父たちがヒドイ目に遭うように、そこはこだわりました。だから、ほぼテイクワンで、和製クリント・イーストウッドって、言われていましたよ。撮影が早いって(笑)。
――作る側としてのプレッシャーがあったということですが、たとえば「カマキリ伝説」が基礎にあって助かった、みたいな感覚もありそうですね?
確かに、それはやってみたらありましたね。映画という映像作品は初めてですが、物語や笑いを構築する点では同じでしたから。そういう意味では、平泳ぎをやっていた人間がちょっとバタフライを始めようみたいな感じですよね。基礎があるから。しかも自分のジャンルなので。どうやって撮るかということがメインになるくらいで、すぐ楽しめました。
――今回、映画ではありますが、関根さんのワークアウトの延長ですよね。ファンとしては、最高にうれしいです!
ええ、そうとらえていただいて結構ですよ。僕の頭の中を映像化していて、ごつごつ笑いを獲りに行っています(笑)。とにかくコメディーにこだわっています。
SFという世界観もいいですよ。非日常的になるので、映画館では日頃を忘れて楽しみたい方におすすめです。アクションもあります。コメディーを支える土台として、SFがある。オヤジ3人の共演も初めて、そろい踏みが初めてだそうです。皆さん、そんなに要らないって思っていたらしいですけど、僕はこの布陣でいきたかった。芋で例えると、海老芋、里芋、ジャガイモ。それぞれの役割をまっとうしてくれていますよ(笑)。
https://youtu.be/PeTEdeDgpJI
(C)「騒音」製作委員会
映画『騒音』は、2015年5月23日(土)より、全国順次上映中
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