5月20日に配信されたハロー!プロジェクトオリジナルWEB番組『ハロ!ステ』の中で、アンジュルムの福田花音が自ら、今年の秋をもってアンジュルムおよびハロー!プロジェクトを卒業することを発表した。2004年にハロプロエッグに加入し、2009年にスマイレージを結成。ハロプロエッグの時代から数えたら約11年間、独特の個性と摩訶不思議な言動でファンを常にざわつかせてくれた「神童」が、この秋ひとつの区切りをつける。
【ハロ!ステ#118】福田花音からのお知らせ
https://youtu.be/37finW1HTNg
福田花音自身がブログで「わたしは、アンジュルムが、ハロー!プロジェクトが、大好きです。そしてなによりもアイドルとして輝けているときの自分が大好きです。」と綴るように、ハロー!プロジェクトへの愛を常に発露してきた彼女。決して順風満帆ではない、様々な経験と思いを重ねてきた福田花音だけに、彼女自身が前向きな形で卒業を決めたのならば、ファンとしては推しの決意を前向きに捉えなくてはならないだろう。
だがそれでも、福田花音があまりにも特別な存在であるというのは間違いない事実だ。だからこそ、その喪失感はファンにとっては当然特別なものだし、すぐに前向きになることは難しいかもしれない。
そこで本日は、推しが卒業を発表したときにファンは何をすべきか、5つの方法を提案したい。今すぐ前向きになることは無理だとしても、せめて卒業の日には大好きな彼女のことを笑顔で見送ることが出来るよう、参考にしてもらえれば幸いである。
(1)まずは一人で考える
最もやってはいけないことは、悲しみを紛らわせるためにいきなりヲタ友と慰め合うということだ。それは一見楽な方法に見えるが、実は何の解決にもならない。推しが卒業という重大な決意をしたのだから、ファンとしてもまずは一人で自分だけの答えを見つけようとしなくてはならない。それは辛いことかもしれないが、ある意味で、ファンだけの特権でもある。
推しが卒業するという機会は、一度しかない。だからこそここは一人で悩み、考えなくてはならない。自分にとって推しとは何だったのか。推しから貰ったものは何があるか、推しが卒業したあとでもそれは心に残すことが出来るか。一人きりで考えなければ、自分だけの答えは導き出すことが出来ない。卒業とは、推しが与えてくれる貴重な機会である。この機会をどう活用するかで、今後の人生が大きく変わると言っても少しも大げさではないだろう。
(2)みんなの意見に惑わされない
推しの卒業という突然の事件に対してまだ心の置き場所が定まっていないうちは、周囲の意見をあまり気にしないほうが良い、というか出来れば情報はなるべく遮断したほうが良い。たとえばツイッターで卒業を前向きに捉えるという誰かの意見を読んでしまうと、どこか苛ついてしまうからだ。とっとと先に行きやがって、と。あるいは推しへの気持ちが非常に強い場合、普通に街を歩いていても「こんな大変なときにお前たちは何でまともでいられるんだ?」という思いにかられてしまうことが、冗談ではなく実際に起こる。だから用がない場合は、なるべく部屋から出ないほうが良いだろう。
ただしここで忘れてはいけないのは、ファンであればみんなそれぞれに悩んでいるということだ。ツイッターで前向きな意見を見たとしても、そのファンはやはり、悩んでいるのだ。ハロー!プロジェクトでは今でも語り継がれる「飯田圭織七夕バスツアー事件」というものがある。「彦星様見つかってよかったねカオリン」と結婚を祝福する言葉を口にしていたおっさんヲタが、そう言いながら全員泣いていたという切なくも優しさにあふれた出来事だ。つらいのは自分だけではない。一人一人が、それぞれのやり方で推しの卒業と向き合おうとしている、ということだけは忘れてはならない。
(3)メンバーのブログをチェックする
自分の中での気持ちが少し落ち着いたら、メンバーのブログを読んでみよう。ほかのメンバーが自分の推しの卒業をどう捉えているのか、常に一緒に活動してきたメンバーだからこその言葉がそこにはあるはずだ。特に今回の福田花音の卒業に関しては、スマイレージの2期メンバーとして加入したアンジュルム田村芽実のブログは、多くのファンに勇気を与えるはずだ。
今も変わらない思い。田村芽実ですっ。
「アンジュルムは日々進化して行きます。今しかこの9人のパフォーマンスはありません。この9人であることを大切にして行きたいと思います。」と語る、その誠実さ。ダーウィンの進化論まで引用して思いを伝えようとする田村芽実の言葉は、とても美しい。そしてその美しい言葉を引き出したのは福田花音その人なのであり、やはり自分が福田花音を推してきたのは正しかったのだと思えることだろう。流した涙が、少しだけ癒えてくれるはずだ。
(4)今までの作品や活動を改めて見直す
さて、そろそろ後ろを向いているのではなく、これからのことを考えよう。アクシデント的な脱退でなければ、卒業発表から実際の卒業までにはまだ少し時間がある。その時間はもう二度とやり直すことは出来ないのだから、しっかり考えてときを過ごさなくてはいけない。そしてまずやるべきは、卒業していく推しが今までに残してくれた作品や活動を、改めて見直すということになるだろう。
実際、福田花音自身も卒業のことを考えるにあたって、スマイレージ時代の曲『新・日本のすすめ!』の歌詞に元気と勇気をもらったという。現在福田花音はつんく♂とLINEでやり取りをし、ハロプロの楽曲の中で自分が良いと思う歌詞を無理矢理伝えるという奇行に及んでいるそうだ。つんく♂からしたら「ほんま、ええかげんにせえよ」という話だと思うが、それでも自分が書いた『新・日本のすすめ!』が福田花音に対して良い影響を与えたというのは嬉しいに違いない。「夢はまだここにある」「君はまだその途中」「夢はまだ成長中」「僕はまだあきらめない」「さあ行こう」という歌詞は、まさに今だからこそ心に響く。推しが残してくれた作品と、今、真剣に、向き合っていこう。
(5)何度人生をやり直してもあなたはその人を推すだろう
端的に言って、推しの卒業は悲しい。どれだけ前向きに捉えようとしても、どれだけの言葉を重ねても、推しの卒業は悲しいというのは事実としてそうだ。貰ったものが多ければ多いほど、推しの卒業は悲しい。その感傷は、他の何にも例えることが出来ない、特別なものだ。
だが、それでも、自分に問いかけてみてほしい。卒業が悲しいからと言って、だったらその人を推さないほうが良かったのだろうか? もし人生をやり直すことが出来たら、その人を推さない人生を選ぶのだろうか? もちろん、そんなはずはないだろう。卒業は確かに悲しい。だけどその悲しさよりも、もっとずっと大きい歓びを、笑顔を、奇跡のような瞬間を、あなたは貰ってきたはずだからだ。
推しの卒業に対して、悲しみに暮れるのはいい。だけどそれと同時に、これまでに推しから貰ったものに対しては感謝しなくてはいけない。卒業していく推しに対して、正しく「ありがとう」と言えるかどうか。言わなくてはいけない。なぜってあなたは、あの人のことを、推しているのだから。
<結論>
そして来週5月26日(火)は、アンジュルムの日本武道館公演である。今からでも遅くはない。福田花音という稀代の才能をまだ目にしていないあなたは、日本武道館に足を運んでみてはいかがだろうか。
文・相沢直
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