先日ティーザー映像が公開された『バットマン v スーパーマン: ドーン・オブ・ジャスティス/Batman v Superman:Dawn of Justice(原題)』の製作総指揮を務める、クリストファー・ノーランのフィルモグラフィを紹介する動画が話題だ。
https://vimeo.com/124359600
低予算モノクロ映画『フォロウィング』(1998年)で長編デビューしたノーラン監督は、2作目『メメント』(2000年)で早くもアカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネート。どちらも物語の時系列を逆にした斬新な手法で話題を呼んだが、ノーランの実力はまだまだこんなもんじゃなかった。
それを証明したのが、新バットマン3部作の序章となる『バットマン ビギンズ』(2005年)と、ヒュー・ジャックマンがマジシャンという無茶な配役が楽しい『プレステージ』(2006年)を経て公開された、バットマン史上もっとも暗い作品『ダークナイト』(2008年)だろう。ノーラン作品の常連、クリスチャン・ベールが演じるバットマンを完全に食ってしまったジョーカーは、演じるヒース・レジャーを死に追い込んだと噂されるほど、映画史に残る強烈なキャラクターとなった。
『ダークナイト』で時代の寵児となったノーランだが、休むことなく『インセプション』(2010年)で再び映像革命を起こす。作中で解説される「精神が迷子になってしまう場所」こと"Limbo"の設定はかなり衝撃的で、一部のコアな映画ファンの間では度々ネタにされるほどだ。
続いて公開された、ノーラン版バットマン3部作の完結編となる『ダークナイト ライジング』(2012年)と、同じくDCコミックで最も有名なヒーロー、スーパーマンを00年代に蘇らせた『マン・オブ・スティール』(2013年:製作/原案)は、「ヒーロー映画のくせに暗すぎ」とファンの間で賛否が別れる結果に。しかし、多くの映画ファンを「ノーランやっぱスゲー」と唸らせたハードSFの歴史的傑作『インターステラー』(2014年)は、ここ日本でも超がつく大ヒットを記録。第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、視覚効果賞を受賞した。
多くの編集動画を公開しているAdrien Bssgt氏が制作したフィルモグラフィは、ノーラン作品の登場人物たちが、まるでLimboから目覚めたかのようなカットで終わる。そして『インセプション』のコマが倒れることで、視聴者は現実世界に帰っていく...なんて意図があるかは不明だが、ノーラン作品ファンならではのニクい編集と言えるだろう。
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