ツイッター上で、あるミスキャンパスをフォローしたときのことである。
ほどなくしてこんなリプライが返ってきた。
「霜田さん、フォローありがとうございます!」
ん!? え、こんな童貞ライターの僕のこと知ってるの!? こんな美女が!? なんなの!?
嬉々として彼女のアカウントを見てみると......
「◯◯さん、フォローありがとうございます!」
「△△さん、フォローありがとうございます!」
ぼ、僕だけにではない......!フォローしてくれた人全員に名前付きで挨拶をしている。な、なんなんだっ、これは!?
相当の労力のかかるこの行為、一種のミスキャンというものの業というか、闇すらも感じるぞ......。
そこで取材を申し込んでみると、是非に、ということだったので、会ってみた。
彼女は2014年の11月にミス専修コンテストでグランプリを獲得した、福井瑞来ちゃん(21)。全国のミスが集まり、その日本一を決めるコンテスト、『ミスオブミスキャンパスクイーンコンテスト』でもファイナリストとして奮闘中だ。
明るい挨拶に軽快なトーク。豪快に手を叩いて笑う女のコで、闇は感じられない。しかし、ふと彼女はこう語りだした......。
「ミスコンに疲れすぎて、人と会いたくなくて......」
原因を聞くと、ミスコンそのものというより、それに付随するネット上での色々な人とのやりとりに疲れたのだとか。ミスコンテストは本番だけではなくWEB投票も結果を左右するため、ネット人気も得なくてはならないのである。
「SNSにずっと入っていたので、もうスマホが嫌いになっちゃったんですよ。友達と御飯食べるときも、『ちょっとごめんね』って断っていじっていたんですが、それでも友達に悪いじゃないですか」
彼女は、ツイッターで自分にくるリプライに全部返していたのだという。もちろん、見知らぬ人もいるし、エロ発言をしてくる人もいる。
「エロいことを言われても、ちゃんとかわしつつ、でも嫌われないようにする、というのは心がけていましたね。例えば『今日のパンツ何色?』って聞いてくる人がいたら『ご想像におまかせします♥』って返したり」
近づき過ぎないよう、離れすぎないよう、うまく"調教していく"イメージなのだという。
調教というと小悪魔のように聞こえるかもしれないが、そこはミスコンという競争が呼び起こす"必要悪"。
「私のフォロワーさんを、他の候補者がフォローし始めたりしているのを見ると、限られたパイを奪われようとしている、って焦っちゃうんですよね」
そんな彼女の特技は『自撮り』。画像によって、ネット上でのリアクションに大きく差が出てくるので、そこも「できる限り盛れるように、太陽光のある場所に行ったり......」と、気を遣うのだという。
さらには『日常生活の報告だけではなく、自分の意見も述べるようにした』『FACEBOOK上ではURLつきの投稿ばかりしていると、他の人のフィードに表示される率が下がるので配慮した』など、専門家レベルの気遣いまで!
ちなみに、彼女に、"これは男性に突き刺さるだろうなーと思ったリプライ"を聞いてみた。他の女子がしているのを見て、いいなと思い盗んだワザなのだというが......。
久々に自分にリプライしてきたフォロワーに対し
「◯◯さんリプライお久しぶりですねー!嬉しいですー!今までどうしてたんですかー?なんでしばらくリプライくれなかったんですかー?」と返すのだという。
なんなんだ、この恋人気分のリプライは!ツイッター上のリプライという公共上のやりとりであるにも関わらず、なんだか、LINEでメッセージをもらっているかのような気分!
こ、こんなリプライきたら、そりゃ好きになっちゃうだろー! 僕ら経験値の少ない童貞こじらせ男子たちなら尚更だよ!
でも、わかっててもファンになってしまう。投票はしてしまう。 そんな風に彼女たちの技術に翻弄されているうちはまだまだ。美女友だちを作れる日はまだ遠い!
(写真・文:霜田明寛)
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