文部科学省と総務省は、ICT(情報通信技術)活用を推進し、2020年にまでに、子ども1人につきタブレットを1台ずつ配布する「1人1台」を目標に掲げている。佐賀県武雄市をはじめ、すでに整備する自治体も相次ぎ、今後は全国的にも波及しそうだ。授業や家庭学習でもデジタル化の流れは、確実に浸透している。
たとえば、昨年2014年に始まった、ベネッセコーポレーションの「チャレンジタッチ」は、学習専用タブレット。紙のノートや教材ではなく、タブレット端末を使うという。
【動画】http://youtu.be/U7QI0QBvvqc
「もはや"赤ペン先生"は過去の産物と化してしまったのか......」と一抹の寂しさを覚える方もいるかもしれない。あるいは、「なんでもかんでもデジタル化してしまうと、書く力が衰えるのではないか?」という懸念を抱く人もいるだろう。
だが、そんな心配は無用だ。「チャレンジタッチ」の学習法は、"タッチペン" を使い、文字や数字を"書く"スタイル。タッチペンで答えを書くと、即座にタブレットが採点してくれる。回答の際には、子どもがやりがちな間違い回答を記入すると、「本当にそれでいいの?」と音声で注意を促してくれるというから驚きだ。
かつて通信講座「進研ゼミ小学講座」といえば、赤ペン先生が紙に手書きで添削してくれたものだった。ほめ言葉や励ましの手書きの言葉が楽しみで、せっせと勉強に取り組んだものだ。
従来、赤ペン先生からの返却は、2週間前後かかっていた。ポストの前で赤ペン先生からのお返事を、首を長~くして待つ子どもたちも多かったことだろう。しかし、「チャレンジタッチ」の場合、紙で提出すると、約3日で添削結果がタブレット上に送られるとあって、返ってくる期間も大幅にスピードアップ、さながら目の前で個別採点してもらっている感覚が味わえる。"ほめてくれる人がいる"という安心感もそのまま、あの赤ペン先生は、タブレットの向こう側に存在するのだ。
もちろんタブレット一辺倒ではなく、必要な学習はきちんと紙で届けている。デジタル化の流れは進みつつあるが、まだまだ学校の授業も手書き重視であり、当然、宿題も手書きである。記述問題をはじめ、紙で学んだ方が効果的なものは、従来通り紙で学習できる。さらに1人では伸ばすことが難しい記述力は、赤ペン先生が個別指導してくれる。
デジタル×紙を融合した「チャレンジタッチ」は、タブレットで学びたい子どもも大歓迎の学習法かもしれない。手に持つのは鉛筆からタッチペンに変わっても、学ぶ喜びを知った子どもたちの笑顔は今も昔も変わらない。
■参照リンク
進研ゼミ小学講座
http://sho.benesse.co.jp/s/touch/
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