消防や救急を知らせる緊急電話へのイタズラは日本でも問題になっているが、状況によってはあえて周りに知られないように助けを求めるケースもあるようだ。
こちらはDV（家庭内暴力）や性的暴力の問題に取り組む団体＜NOMORE＞による、60秒のCM。オペレーターが「911（緊急通報用電話番号）です。緊急事態が起きたのはどこですか？」と尋ねる。住所を答えた女性に対し、オペレーターは「どうしたんですか？」と問いかけるのだが、なんと「ピザの配達をお願いします」との答えが。
間違い電話だと判断したオペレーターは「こちらは911ですよ」と指摘。だが女性は「わかってるわ。ラージサイズで、ペパロニとマッシュルームのハーフ＆ハーフで」と注文を続ける。オペレーターはなおも「こちらは911ですってば」と言うが、女性はそれを遮るように「どれくらいかかりますか？」と問いかけた。
ここで「何かがおかしい」と感じたオペレーター。彼は女性に「大丈夫ですか？ 緊急を要することが起きているんですか？」と確認し、家に武器がないことやそのまま通話を続けることができるかを尋ねるが、女性の答えは「ノー」。オペレーターは女性に、（探知した）彼女の家から1マイル（約1.6㎞）のところに警官がいるので、至急向かわせる旨を伝えたのだった。
http://youtu.be/rTJT3fVv1vU
このCMは米スポーツの祭典＜スーパーボウル＞で流れたのだが、恐ろしいのはこの通話が実際の出来事をベースにしたものだということ。その後、女性の家に駆けつけた警察官が見たものは、暴力で負傷した女性と、泥酔した彼女の恋人の姿だったという...。このCM、見た人々からも
「今年のスーパーボウルCMで最高の1本。面白くないし、かわいいわけでもない、動物も出てこない。でもこのCMの内容は切実だし、重要だと思う」
「実際の出来事だと知って、背筋が寒くなった」
「DVでは男性も被害者になる場合もあるからね」
と、高い評価を得ている。
【参照リンク】
・NO MORE's Official Super Bowl Ad: 60 Second - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rTJT3fVv1vU
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