先週、アメコミ映画ファンの間で話題になったのは、本年度公開のマーベル・ヒーロー大作「アントマン」の、最初の予告編が解禁になったことです!
スパイダーマンのように、蟻にかまれたからアントマン、というわけではなく(笑)、蟻のように身体を縮小できる、そして蟻とコミュニケートできるからアントマン!大注目のヒーローです!
その正体は、科学者ヘンリー・ピム。ピムは、優秀なバイオ化学者、素粒子を使って体のサイズを変える装置"ピム パーティクルズ"で、蟻のサイズまで体を縮小することができます。もともとは、SFホラーコミックを集めた『Tales to Astonish』という雑誌があり、そこで発表された『The Man in the Ant Hill』(1962)という短編コミックがベース。これはヒーローものというより、縮んだ化学者が蟻や蜂におっかけまわされるという内容で、50年代のSF映画『縮みゆく人間』や巨大昆虫怪獣モノのようなお話でした。
のちにこの主人公が、ヒーローっぽいコスチュームを着て、アントマンとして再デビューするわけです。能力としては、もちろん身体のサイズを自由に変えて、相手をかく乱します。また縮小していても、通常サイズ時の人間の筋力・パワーは維持されているという設定なので、小さいのに力持ちなわけですね。また体のサイズを大きくし巨人になることもあります。巨人時はいつも3mから30mぐらいまで巨大化。このときはジャイアントマンとよばれます! ANT-MANからGIANT-MANという英語のしゃれです(笑)
このアントマンは、マーベル・コミックの中で、ある意味2つの重要な役割を果たしています。1つは、彼はアベンジャーズの最初のメンバーでした。そして次のアベンジャーズ映画「アベンジャーズ:エイジ オブ ウルトロン」に登場する強敵ウルトロンは、もともと彼が作ったのです。このあたりのエピソードは、先日の「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」の37、38、39話あたりに描かれていました。
このアントマンには、女性のパートナーがいます。ジャネット・ヴァン・ダイン。彼女は、宇宙怪物に殺された父親の敵を討つために、ハンクから縮小能力を伝授され、アントマンをパートナーに宇宙怪物をやっつけます。以後、虫のような羽のついた飛行スーツと体内電気を貯めて一撃をくらわす"バイオスティング"装備のコスチュームに身を固めワスプ(蜂のこと)とよばれるようになります。ワスプは原作コミックだとアベンジャーズの名付け親なのです。
映画化が望まれているヒーローの一人でしたが、なんと今度の映画版は、ヘンリー・ピムが主役ではないのです!実はアントマンには、2代目、3代目がいて、今回の映画は2代目アントマンことスコット・ラングを主人公にしています。スコット・ラングは娘がいる男で、あることから泥棒になってしまいます。しかし、その過程で、ヘンリー・ピムと出会い、2代目アントマンを襲名するという流れです。映画は初代アントマンことヘンリー・ピムをマイケル・ダグラス、スコット・ラングを舞台&コメディ畑のポール・ラッドが演じます。というわけで予告編です。
【動画】https://www.youtube.com/watch?v=xInh3VhAWs8
映画とコミックの設定は変わる部分はありますが、ご説明したように「スコットに娘がいて、泥棒をやっていた」という流れになるようです。泥棒だった男が改心してヒーローになる、、みたいなお話でしょうか?
途中、ヒロインっぽい人が出てきますが、エヴァンジェリン・リリー、「ホビット」に出ている女優さんですが 僕は「リアル・スティール」(いま思うとウルヴァリンとファルコンが共演(笑)の映画)のヒロイン役の印象も強い。彼女はホープ・ピム(原作コミックだと初代アントマンとワスプの娘)を演じます。
またスキンヘッドのいかにも悪のボスみたいなのがでてきますが、コリー・ストールという役者さん。彼は、この予告では出てきませんがイエロージャケットという"悪のアントマン"になります。詳しくは、この横断幕のむかって右の黄色いキャラです。イエロージャケットは、コミックではいろいろな設定があるのですが、この映画では悪役のようです。
あと昨年のSDCCでもお披露目になった、羽蟻にのるシーンもありますね。忘れがちですが、アントマンは蟻を操れるというのも特殊能力の一つ。「アベンジャーズ」のコミックでは、蟻の大軍をうまくつかってロキをやっつけるんです(本当です)
PHOTO BY 杉山すぴ豊
さて、思ったよりシリアスな予告編でした。映画ファンの方には、当初エドガー・ライトが監督するハズだったが、降板したことはご存知かと思います。私見ですが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンに続いて、ライト監督だと似たようなテイストになっちゃうと思ったのかな。あとジャイアントマンにはなるのでしょうか?
ただ最後のやりとりで、
「Is it too late to change the name? (アントマンっていう)名前はもう変えられないの?」
とスコットがピムに質問しています(笑)。"蟻男かよ"っていうツッコミを自らやっていること頃が面白いですね。「アントマン」は、全米公開7月です。
ポスターはこちら。アントマンを蟻サイズで表現したユニークなポスターです。
テキスト・杉山すぴ豊
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