NHK連続テレビ小説「マッサン」が話題である。朝ドラ初の外国人がヒロインという冒険的な作品だが、人気は上々、特に堤真一演じる鴨居の大将はまさにハマり役としか言い様がない。マッサンとエリーという夫婦を軸にして、夫婦とは何か、家族とは何か、仕事とは何かを問いかける上質な番組だ。
だがこの作品において最も重要な存在は、玉山鉄二が演じるマッサンだろう。この男のヘナチョコっぷりは尋常ではない。見ているこっちが「いい加減にしろよ!」と怒りたくなるほど何もしない。奥さんのエリーに肩入れすると、こんなろくでなしはちょっと許しがたいほどだ。とは言えこのダメダメ感が中毒になるのもまた事実。今日もマッサンはダメダメだな、とある意味で愛おしくなってしまうのが不思議だ。
マッサンがヘナチョコなぶん、エリーは頼もしく、二人の広島弁での掛け合いは見ていて楽しい。かつ、参加したくなってしまう。というわけで本日は、マッサンとエリーがタイムスリップをして現代の日本を見たらどんな会話をするかをシミュレーションします。広島弁は完全に適当ですが、脳内で補正してお楽しみください。
<その1 ノーベル賞、日本人3氏が受賞>
マッサン「エリー、大変じゃあ! ノーベル賞で、日本人が3人も受賞しよったんじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。ソレハ、良イコト? ソレトモ、悪イコト?」
マッサン「何を言うとるんじゃエリー! 良いことに決まっとろうが! スコットランドで授賞式じゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。スコットランド、懐カシイ。スコットランドノウイゥキー、オイシイ」
マッサン「その通りじゃ! ワシらもウイスキー作りで頑張らんといかんのう! ウイスキーで、目指せノーベル賞じゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。マッサン頑張ル、エリーモ嬉シイ......」
<その2 映画『アナと雪の女王』大ヒット>
マッサン「エリー、大変じゃあ! 映画『アナと雪の女王』が大ヒットなんじゃ! 大人も子供も、みんな揃ってレリゴーなんじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。レリゴー? エリー、分カラナーイ」
マッサン「どうしたんじゃエリー! そがいなこと言うとったら、May J.さんも悲しむじゃろうが!」
エリー「オーゥ、マッサーン。May J.サンガ悲シム、ソレ、トテモ良クナイ」
マッサン「ワシにも分かっとる! 今年の紅白は、May J.さんを応援するんじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。今年ハ絶対、紅組ガ勝ツンダカラ......」
<その3 『妖怪ウォッチ』がブームに>
マッサン「エリー、大変じゃあ! ワシらが知らんあいだに『妖怪ウォッチ』ちゅうもんが大ブームらしいんじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。エリー、ソレ知ッテル。ジバニャン、大人気」
マッサン「何じゃあ! エリー、知っとったんか! 何でそんなこと知っとるんじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。キャサリンガ教エテクレタ。キャサリン、トテモ良イ人」
マッサン「ワシにはそうは思えんけどのう! 取りあえず、妖怪メダル買うてくるわ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。品薄ダカラ、並ブノ覚悟ノ上ダヨ......」
<その4 逸ノ城、スピード出世>
マッサン「エリー、大変じゃあ! 逸ノ城っちゅう力士がすごいんじゃ! あれは大したもんじゃのう!」
エリー「オーゥ、マッサーン。エリー、ソノ人知ッテル。本名ハ、アルタンホヤグ・イチンノロブ」
マッサン「どないしたんじゃあ! エリー、大相撲が好きじゃったんか!」
エリー「オーゥ、マッサーン。ワタシ、大相撲スキ。マゲ、ユイタイ」
マッサン「いかんいかん! マゲは男のもんじゃ! エリーみたいな女はマゲをゆうたらいかんのじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサン! マッサン、エリーノコト、何モ分カッテナイ!」
マッサン「エ、エリー! エリー!」
<その5 衆議院議員選挙、14日に投開票>
マッサン「エリー、こんなところにおったんか......」
エリー「マッサン。エリー、行クトコロ、ホカニナイ。日本デ、エリーガ信ジラレル人、マッサンダケ......」
マッサン「ほうじゃのう......エリー、すまんかった! もうすぐ選挙じゃ、ケンカしとる場合じゃないわ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。選挙、ドコニ投票スル?」
マッサン「ワシにはよう分からん! ほうじゃけど、貴重な一票、ちゃんと考えて投票するんじゃ!」
エリー「オーゥ、マッサーン。マッサンガ選挙行ク、エリー、嬉シイ......」
マッサン「さあ! みんなも選挙に行こう!」
<結論>
というわけで、今週日曜日は衆議院議員選挙です。みんなもエリー&マッサンを見習って、選挙へ行こう!
文・相沢直
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