11月29日深夜に放送されたラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送、毎週土曜25時~)のなかで、パーソナリティーのお笑いコンビ「オードリー」の若林正恭が披露した相方・春日俊彰への"disラップ"が絶賛を集めている。
"dis"とは、英語のdisrespectの略語で、ラップにおける"dis"は、特定の相手へラップで攻撃することを意味する。現在では、ラップやヒップホップのファンのみならず、「ディスる」という言葉を広義的に「悪く言う」という意味で使う用法が一般層にも浸透しているが、今回若林が披露した"dis"は、まさに本家本元の使用法というわけだ。
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若林がなぜ春日への"disラップ"を披露したのかといえば、きっかけは2014年9月にまで遡る。9月14日、同番組の5周年とニッポン放送開局60周年を記念して、番組主催の5000人規模のイベント「史上最大のショーパブ祭り」が東京国際フォーラム・ホールAで行われた。
同イベントにおいて若林は、ゲスト出演した歌手のmiwaにフィーチャリングする形で自作のラップを披露。番組の"ムチャぶり"でラップを作ることになった若林だが、元々90年代日本語ラップの愛好者だったこともあり、miwaを"いじる"歌詞や番組での定番ネタを交えて韻を踏む見事なラップを完成させ、観客から大喝采を浴びた。
これを機に、ラップを作ることにハマったという若林は、所属する事務所・ケイダッシュステージの後輩芸人であるコンビ「ゴンゴール」の氏原真一の協力のもと、今回の"春日disラップ"を作ったというわけである。
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実はこのゴンゴール氏原は、お笑い芸人になる前は"ENSHU"という名で8年間ラッパーとして活動していたという異色の経歴の持ち主であり、ヒップホップ界隈での人脈も豊富。若林はいま一度氏原に基礎を叩き込んでもらいながらリリック(歌詞)を仕上げたようで、春日への"dis"をテーマに選んだ理由は、氏原の「(自分にとって)リアルなテーマじゃなきゃダメですよ」というアドバイスからだったという。
そうして出来上がった曲『春日dis_ラップ』は、若林(MC SASHIBA)と氏原(ENSHU)が参加しており、トラックを作ったのは、氏原の知人である「Yuto.com[TM]」。TOC from Hilcrhymeや般若など有名ラッパーをはじめ多数のラッパーに楽曲提供経験がある本格派トラックメイカーだ。
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「ケイダッシュビーフ」というフレーズで始まるこの曲。"ビーフ(beef)"とは、ヒップホップ用語で「喧嘩」や「争いごと」を意味する言葉であり、いわば春日からの"アンサー"も待っているというわけだ。
「仕事はボディビルと海外ロケ お前の本業なんだっけ」
「トゥース!の代わりに中指立て ビーフ、ディスの始まりだぜ」
「貧乏ぶった富裕層 カス、カス、カス、人間のカスだ」
といった春日への辛辣なリリックが延々と続く同曲。若林自身、「"disrespect"は結局リスペクトだ」としており、春日のことばかり考えて作ったという。そして春日も、「(内容はおいといて、)まず言いたいのは、素晴らしい完成度だね」とそのクオリティを称賛した。
そしてリスナーはツイッターで、
「若林さんの春日さんへのdisラップ面白すぎるw」
「若林の春日disラップのクオリティの高さに声荒げて笑った」
「若林の春日disラップ眼が覚めるくらいクオリティ高かった」
「オードリー若林の春日dis曲やべw yutoさんのトラックにはまってる」
「結局、春日愛ラップだよなwww」
「春日disラップの完成度の高さを誉める器のデカイ春日」
「ディスラップの完成度すごかった、春日さんはどうやって返すのかな~」
といった絶賛の反応を続々投稿。さらに、タワーレコード明石店の公式アカウントからも、
「昨日のオードリーのオールナイトニッポンで披露された、MC SASHIBA a.k.a.若様と後輩ENSHUによる春日dis_ラップのクオリティが凄かった! 是非、音源化とかして欲しいですねぇ!!」
と、音源化を望むツイートが投稿された。
大反響を巻き起こしているこの『春日dis_ラップ』。今後、番組の中でさらなる展開を迎えていくことも既に発表されている。
文・宇佐美連三
■参照リンク
https://twitter.com/TOWER_Akashi/status/538925884384612352
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