『少林サッカー』『カンフーハッスル』で日本にも一大旋風を巻き起こしたチャウ・シンチーが、6年ぶりに放つ監督作『西遊記~はじまりのはじまり~』。中国本土では一足はやく昨年公開され、2013年の興行成績No1を記録したが、そんな超絶話題作が21日、ついに日本でも公開となった。これを記念して、貴重すぎるチャウ・シンチー監督のインタビューをお届けしよう!
まずはファンなら絶対に知りたい質問、「今回、なぜシンチー本人は出演していないのか!」をぶつけてみると、「特に出番がなかったので今回は監督に専念しました(笑)」とあっさり。チョイ役でも良いから出てほしかった...というのが正直なファンのきもちかもしれないが、本人いわく、「僕としても出演したいのは間違いないんですけど、ミス段は僕が女の役を演じるわけにもいかないし、玄奘は若いから僕の年齢を超えているし、猪八戒はマスクをかぶっているから意味ないし、沙悟浄は短いからあまり興味ない(笑)。孫悟空は醜いキャラクターなので僕のような美男子じゃないから、ちょっとね...(笑)。でもメインキャラには最高の役者さんたちが揃ったので、僕の出番がなくても全然問題ありませんでしたよ」。
ではその"最高の役者たち"という布陣となったキャスティングについて聞いてみると、「正直、勘(笑)」というなんとも彼らしい答え。
「例えばウェン・ジャン(三蔵法師役)は一度しか会ったことがなかったんですが、その時、何となく彼が三蔵法師っていう感じがあったので、何となく彼かなと...(笑)。孫悟空役のホワン・ボーは、実は最初断られたんです。理由は、前に僕自身が孫悟空を演じたことがあって、それを超える演技はできません、ということでした(笑)。そこでまた交渉して、説明して、僕を超えることはないですけど、こういう内容だからホワン・ボーさんで問題ないんですよ、と説得しました(笑)。彼の演技はものすごく感覚がいい。彼が演じた孫悟空は、昔は強かったけど、今は老けてしまい弱くなっているという設定で、エンタテイメントの要素もあるんですけど、非常に難しいキャラクターだと思っていたんですが、さすがよく演じてくれました」。
紅一点、美しすぎる妖怪ハンター・段をスー・チーが演じているのも話題だ。いったいどういう経緯で彼女を起用することになったのか。「子供の時から彼女の映画を観てきましたし(笑)、美人というのも間違いない。今回の段というキャラは好き嫌いがはっきりしていて、ストレートで強烈なところがあるから、彼女にピッタリじゃないかと思いました」。
さて、この作品で触れないわけにいかないのが、70年代から80年代にかけて放送された日本が誇る刑事ドラマ『Gメン'75』だ。映画の最後に『Gメン'75』の曲が流れるのだが、シンチー監督、実は『Gメン'75』の大ファン。この曲を最後にもってきたのは、もちろん意識してやったこと、と語る。
「蔵法師と3人の弟子がオデッセイに出るというのは、まさに『Gメン'75』が悪人をやっつける=妖怪をやっつけるイメージで作りました。中国や香港の観客も、この曲の出元をもちろんわかってると思いますよ。僕の知る限り、みんなこの曲知ってますから」。
さて、最後に次回作『西遊列国』について聞いてみると、「内容は西遊記で間違いない。だいたい来年の初めくらいに撮り始めて、2016年に終わる予定」とのことだ。詳細がわかるのはもう少し先になりそうだが、とりあえず今は公開されたばかりの『西遊記~はじまりのはじまり~』を観ないことには話が始まらない。
チャウ・シンチー監督『西遊記~はじまりのはじまり~』は大ヒット公開中!
(C)2013 Bingo Movie Development Limited
■参照リンク
『西遊記~はじまりのはじまり~』公式サイト
http://saiyu-movie.com/index.html
| Email this | Comments