『立花亜野芽』とネットで検索すると、こんな単語が目に飛び込んでくる。
「超肉食系女子」、「男性経験100人超」、「男狩り」......。
自身を"ただの悪羅悪羅しているBitch"と嘯く彼女だが、それだけの女がモデルのみならず、タレント、DJ、ダンサーと多角的な活動を行えるはずがない。
そう、彼女は"普通じゃない"。
ギャル文化を発祥から見守ってきた稀代のフォトグラファーでありエディターでもある米原康正が、そんなアブノーマルな彼女をチェキを使って撮り下すとともに、彼女の『秘密』に迫っていく。
安定や普通なんてつまらない
自分にフィットするものを探して
米原康正(以下、米原):今日は撮影してみて、かなり印象が変わったよ。撮影していて自分から向かってくるし、撮られている自分をきちんと客観視できるというのかな。それってスゴく必要なことだしね。
立花亜野芽(立花):私としても今日の撮影はこれまでで一番、斬新で新鮮でしたね。チェキって撮影のときのシャッター音が一味違うから、ポージングからシャッターチャンスも含めて何から何まで初めてですごく刺激的で。
米原:ありがとう(笑)。そういった積極性って亜野芽ちゃんの今の活動でも必要なことだろうなって思うからさ。今はモデル以外でも色々やってるんでしょ?
立花:今はモデル以外にはテレビにもたまに出させてもらっていますし、他にDJやダンサーとしても活動していて。この前は中国で一ヶ月くらいDJとして周っていましたね。
毎日フライトして毎日DJして。海外行けないときは地方でブッキングをしてもらって。なるべく東京にいたくないんですよね。
米原:なんで東京にいたくないの?
立花:東京に飽きちゃって。東京って街は面白い人が集まっているんですけど、行く場所が限られてきちゃってて。
それがイヤで新しい土地を探しに行ってるんですよ。自分的には元々は知らない世界に生きたいっていう気持ちが強いんですよね。
米原:それはなんとなく分かるな。俺も新しいものを探してきたし飽き性だからさ。けど、その強い気持ちって、なにがきっかけか分かる?
立花:自分の家庭が原因だと思いますね。ウチの実家は厳密なカトリックでなにからなにまで禁止されていて。飲酒、タバコ、コーヒーや紅茶のカフェイン類もダメ。夜遊びやポルノとかのセックス関係なんて無論ダメ(笑)。
その反動で「知らない世界を全部見てみたい」って気持ちがあるんですよ。高校生の頃はインドにいたんですけど、日本に戻ってきてすぐに家出してクラブとかの世界にどっぷりハマって。それが意外とフィットしちゃって。
米原:その結果が超肉食系ってワケだ(笑)。
立花:私、日本人が大好きなんですよ。でも高校時代はインド人しかまわりにいなかったから恋愛すら出来なくって。それで日本に帰ってきて、「ああ、日本人ってなんで素敵なんだろう」って一気にハジけちゃってビッチになったワケです(笑)。
米原:じゃあ、亜野芽ちゃんは昔っから悪羅悪羅してたんじゃないの?
立花:根っこの部分は元々、悪羅悪羅だったんじゃないかなって思うんですよね。お酒を飲むと人間の本性って出ちゃうじゃないですか。みんなで飲んでるときに、酔っ払ってナヨナヨした男のDJとか見ると「お前、DJなのに酒も飲めないのか、オイ!」って。だから男の後輩DJとかからは嫌がられてます(笑)。
米原:今の若い子って怒ったりするとすぐにいなくなっちゃうでしょ。アレは根性がないとか、そういう問題じゃない気がするんだけどさ。
立花:でも、私はDJって音と酒が好きじゃないとできない仕事だと思うんですよ。ただ、それを楽しむためにも人間関係って大事で。
きちんと先輩から教わってきた付き合いや礼儀も含めてやっていかないと、クラブって成り立たない。だからこそ私みたいな下っ端DJは先輩と酒を飲んで、クラブをアゲて、リバースしてナンボだと思うし。
それが出来ないDJはよろしくないんじゃないかって勝手に思っています(笑)。
米原:めちゃめちゃ気合い入ってるな(笑)。それはクラブっていう場所に思い入れが深いからなのかな?
立花:私、東京に家出してきたときって3万円しか持ってなくって。家も友達も仕事もなくって、人生の中で間違いなくどん底だったんです。そんな時に生きがいみたいに感じていたのがクラブだったんで。そこからなんとか今の自分ができていったって感覚なんですよね。
米原:そこから這い上がっていって今じゃテレビに出てるんだからスゴイよね。
昔も今もモデルをやっている若い子とかってよくテレビに出たいって言うんだけどさ。あれも自分の中に持っている人格を拡大解釈できる人間じゃないと難しいと思うし。テレビ番組が演出上欲しがっているその人間のキャラクターの一部をクローズアップするという点でさ。
立花:まあ、私はこういったキャラがいつの間にかできちゃっていたので楽でしたね(笑)。正直、「100人斬り」とかも言ってて面白いかなって。私、下ネタ大好きなんですよ。
けど下ネタにしたって、そういうのが好きなキャラクターを持っている人間じゃないと話すのもしんどいだろうし。だから全く苦ではないんですけど、そういう感じで出れば出るほど男が寄ってこなくなってきますね(笑)。
米原:やっぱ今って女の子の方が強いよなぁ。それに最近、改めて思うんだけどさ。俺も若いころは自分をヤリチンだと思っていた時期があるのよ。
けど、意外と女の子と続かない。セックスしても何度もは続かなくって。「これは、俺はもしかしてヤッてるたんじゃなくって、ヤラレていたんじゃないか」って(笑)。
立花:それは"ヤラレチン"ですね(笑)。男の人って意外と女々しい部分があるんですよね。セックス一回したらすぐに付き合えるとか思っている人も多いですし。
今でもしおらしいタイプの女子って"ヤラレマン"が多いと思いますけど、私の周りはガツガツしてて、一回ヤッたらもういらないとか多いですよ。
米原:そんな風に、俺が現役だった時代以上に、男女の関係が昔と今じゃ逆転している気がしてさ。
昔は女の子が彼と連絡がつかないって言ってたけどさ。今では男の方がそんなことを言ってる場合が多くなってってる気がするんだ。
立花:別に男だから女だからってセックスを忌避することはないと思うんですよね。ただ、女の方がセックスは性病や妊娠という部分でのリスクがデカいんで、なかなか楽しみにくいんでしょうけど。
私は財布にいつもコンドームを入れていて必ず使って欲しいと言いますけどね。
米原:今はすぐに妊娠しちゃう子も多いけど、本当にセックスを楽しみたかったら必要なことなのにね。逆に亜野芽ちゃんは子どもが欲しかったりしないの?
立花:早く自分のDNAが入った分身は欲しいんですけどね。ただもう1人の方。この人のDNAなら欲しいなって思う人めぐり合わないんですよね(笑)。しかも私は海外とかにすぐに飛んじゃうんで、そういう部分に理解があってきちんと着いてきてくれる人が良いっていうところもあるんで。
米原:そういう部分でもフィットするところを探しているんだね。俺も海外とかによく行くから、海外の友人からは移住すればいいのにって言われるんだけど、俺の基盤は日本にあると思ってるからさ。けど、やりたいことがあるって人間だったらどんどん海外に出て行ったほうがイイと思うんだよね。
立花:私もなんでもやったほうがいいと思っているんですよね。安定なんて求めないほうがイイと言うか。
今の時代ってみんな安定とか普通を求めて仕事に就いたりしてますけど、それは求めれば求めた分だけつまらなくなる気がして。だからこそ、ちょっと変わったことをするだけでチャンスだし。
ルールなんて、自分で決めて、自分の好きなように縮こまらずになんでもやっていった方がいいと思うんですよね。
米原:そういう安定を求めないっていうこともストイックの一つの形だよね。
もちろん色々、悩むことはあるだろうけれど、結局は苦にならないツヨさと気合いを持っているからこそ、悪羅ギャルって新しい女性の形になんだろうな。
立花:苦は、パーティー明けの二日酔いくらいです(笑)。
米原:俺も(笑)。
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