新宿武蔵野館、そして同系列の映画館、新宿シネマカリテの水槽装飾をご存知だろうか。作品を盛り上げるために独自の路線で毎回、テーマに沿った水槽を作成し、来場した観客の目を楽しませている。
現在公開中の『レッド・ファミリー』では、北朝鮮から韓国に潜入し、スパイとして活動する家族をコミカルに描いた作品ということもあり、「北」をイメージした赤と青のベタという魚で彩った素敵な水槽を制作。両館併せて45個の水槽を展示してきたが、12月6日に公開となる映画『メビウス』で遂にその歴史を塗り替える史上最も卑猥な水槽が新宿シネマカリテに降臨した。
『メビウス』は夫の浮気によって、嫉妬に憑かれた母親が息子の性器を切り取るところあら始まる、壮絶なヒューマンドラマだ。韓国の鬼才キム・ギドクの最新作にして、監督史上最も禁断の領域に踏み込んだ作品ということで話題を呼んでいる。
【動画】http://youtu.be/5o8L-7wkS8U
そして、例によって公開する新宿シネマカリテに制作された水槽が問題だ。いつもは奇麗な魚たちで彩られているのだが、今回メインとして入れられている魚が「チンアナゴ」である。チンアナゴはウナギ目・アナゴ科に属する海水魚の一種で、チン長は最大30〜40センチになる。名前の由来は顔つきがイヌの狆(チン)に似ていることからで、頭だけをニョロニョロと出しゆらゆらと揺れているのだが、夜になると砂から這い出し勢力的に泳ぐという独特の生態。今水族館で話題のオオグソクムシと肩を並べる人気だとか。さらに今回はヤドカリを投入。そのはさみでチンアナゴを切る、なんて安易な発想ではないことを切に祈りたい。(注:実際切られることはないとのこと)
この水槽、背景も問題児なのである。劇場担当者のO氏はややヤケクソ気味にこう語る。
「チンアナゴが頭をちゃんと出してくれなかったときに、せめて背景には、との思いで写真を入れたのですが、出来上がってきたものを見たら、偶然にもそのチンアナゴが、アソコへ向かうビジュアルになっていたんです。今まで制作してきた水槽でも『メビウス』のものはサイコーでサイテーのものになりました。この際、カリテもアソコに向かおうと思います。」
日本、いや、世界一卑猥な水槽を目撃しに、是非新宿シネマカリテに行ってみてはどうだろうか。※劇場ロビーにはチケットをお持ちでないとご入場いただけません。
映画『メビウス』は12月6日より新宿シネマカリテほか全国公開
■参照リンク
『メビウス』公式サイト
http://moebius-movie.jp/
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