たとえば何かを始めるとき、それに使う道具はどんなものを揃えるでしょうか。
おそらくほとんどの人がまずは手頃の価格のものを使い、だんだん慣れていき、熟練していくに従って、高価な道具を揃えようと考えるのではないでしょうか。
確かにそのほうが、自分に合わなかったときのリスクは最小限にすみます。いきなり高価なものに手を出すのは怖いものです。
ある日、タモリと一緒に食事に行った千原ジュニア。そこでタモリはジュニアにウィスキーを薦めたそうです。
タモリといえば無類のウィスキー好き。大学時代、先輩に半年間毎日連れられ飲んでいた時は、その味は分からなかったそうですが、ある日、下宿に帰る途中にバーの看板を見た瞬間、無性に飲みたくなって飲んだたきに開眼したそうです。今でもその瞬間を覚えている、というほど衝撃だったそうです。日本ではほとんど手にはいらないようなウィスキーを揃えたコレクションが今のタモリの自慢の一つ。「その辺のバーには絶対にない」と胸を張ります。
そんなタモリに薦められた高級なウィスキーを前に「タモリさんが飲んではるような本物のウイスキー飲んだこと無いんで、いきなりそんなの飲んで大丈夫ですかね?」とジュニアが躊躇しているときにタモリが言ったのが「この世に入門編なんてないんだよ」という一言です。
「無理してでも上の方を経験しといたほうがよい」とタモリは言うのです。
「上を知れば下も楽しめるようになり、結局は安くなる」と。
文/てれびのスキマ
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