危険ドラッグなるものが流行っております。このサイトを読んでる人は危険ドラッグなんていらない位ハイテンションで日々ハードワークに従事している事と思います。
というわけで、今回ご紹介する映画は、危険なドラッグを撲滅する麻薬捜査官が主人公の『レクイエム 最期の銃弾』。
廃墟にひっそり集まって昔のテレビドラマの主題歌を合唱するティン(ラウ・チンワン)、チャウ(ルイス・クー)、ワイ(ニック・チョン)。彼ら仲良し3人組は幼なじみで、現在は同じチームとして麻薬組織を追っている捜査官。しかし立場は様々で、ティンが麻薬捜査班長、ワイはその部下、そしてチャウは麻薬組織に潜入中で、おまけに嫁は妊娠中。
そんなある日、チャウの潜入先のボスであるハクがタイの麻薬王ブッダと取り引きをすることに。当然チャウはハクの右腕としてタイに同行し、情報を聞きつけたティンとワイもタイへと向かうことになる......。
というのが映画の前半。正直ここまでは何一つ目新しいものがない話ですよね。でもこれ、いわゆる"前フリ"。出だしはありきたりなクライム・サスペンスかと思いきや、監督のベニー・チャンが「80年代の『男たちの挽歌』のような作品を作りたかった」と語っている通り、中盤以降には往年の香港ノワール臭がそこらじゅうに充満。「友情」と「裏切り」をふんだんにまぶし、その上から「銃撃戦」を惜しげもなくトッピング。さらに隠し味(全然隠してないけど)で「唐突な展開」と「衝撃の事実」を注入!という学校では教えてくれない香港ノワールの調理法が炸裂。全編を貫く物々しいムードから、年々ブルドッグ化が進行しているラウ・チンワンの眉間の皺まで、純度100%の香港ノワール。これは危険ドラッグどころじゃないですよ。効きます!
文/市川力夫
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■参照リンク
『レクイエム 最期の銃弾』公式サイト
http://requiem-hknr.jp/
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