「俺はもうプロ社畜だな」・・・そう毎日を淡々と過ごしている君たちは今後のキャリアプランについてどのように考えているのだろうか。このまま続けるか、それとも違った道を行くか。選択肢はいくらかある。
もし、心機一転、別業界への転職を考えているのなら、今後の日本ではどのようなタイプの人が生き残り、逆に衰退していくのかの見極めが必要である。転職をするということはある意味リスクがある。そこで未来のない業界・職種に移ってしまったら、苦労をするかもしれない。
今後、生き残っていくには、自身はどのようなタイプになる必要があるのか?ちょうど、書籍『僕は君たちに武器を配りたい』の著者であり、京都大学客員准教授の瀧本哲史氏が、「どのようなタイプの人が生き残るのか」について語っているので確認しよう。
1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2.自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
3.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
4.まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
5.自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)
6.投資家として市場に参加している人(インべスタ=投資家)
これらが瀧本氏が考える、今後生き残るタイプだ。共通しているのは、「コモディティ化に影響されずに働く」ということ。コモディティとは、「市場に流通している商品がメーカーごとの個性を失い、消費者にとってはどこのメーカーの品を購入しても大差ない状態」のこと。大切なのは、資本主義社会のなかで安い値段でこき使われて働くのではなく、主体的に稼ぐことなのだ。
ただ、これらはコモディティ化に影響されずに働く6タイプであって、トレーダーとエキスパートに関しては、今後生き残っていくのが難しいのではないかというのが、瀧本氏の見方でもある。
トレーダーとは、モノを右から左へと移動させることで利益を得てきた人のこと。会社から与えられた商品を販売している営業マンがそれだ。しかし、インターネットの登場により消費者は営業マンを必要としなくなってしまった。
また、エキスパートも厳しい。一つの専門知識に長けている専門家はこれまで重宝されてきた。しかし、ここ10年の産業のスピードの変化が速まっているため、せっかく積み重ねたスキルや知識自体があっという間に過去のものとなり、必要性がなくなる可能性があるのだ。
ここまでを読んで、「俺はまだトレーダーでもエキスパートでもないのに、もう先がないのか」と絶望している者もいるだろう。しかし、大切なことは"世の中がシビアな状況になってきていることを理解する"ということ。横文字の職種に就くことが重要なのではない。めまぐるしく変わる世の中で、危機感というアンテナを持つことが必要なのだ。
会社から与えられた仕事があるうちは、そのことに気づかないかもしれない。ただ、小慣れた社畜生活に油を売っていたら、世の中からおいてけぼりをくらう可能性もある。くれぐれも現状に満足をしないように。検討を祈る!!
【書籍情報】
『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社) 瀧本哲史著
photo:(C)Norman Licensing, LLC 2014
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