公開中の『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』は、二部作合計の興行収入を足すと、120億、150億円に行くのでは? というトンデモない偉業を達成中だ。その主人公で、同シリーズの顔=緋村剣心、すなわち佐藤 健の覚悟と仕事に触れずして、この作品を語ってはいけない。1作目『るろうに剣心』(12)を経て猛烈な進化を遂げ、最新作でも他の追随を許さない超絶アクションを披露する"佐藤"剣心について谷垣健治氏に解説をお願いした。
まず、佐藤 健が再び剣心役に取り組むことで、当然のように前回よりOKラインが上がり、それがスタッフやキャストにポジティブな影響を与えたと谷垣氏は言う。「前作がたくさんの人に受け入れられたことで、佐藤 健に対してはもう誰も『この人、アクションできんの?』みたいな目で観る人はいない。それはすごくいいことで、同時に大変なこと。すでに『すごい』のが当たり前になってるということは更に『すごい』ことを仕掛けなければならない。でも、「すごい」のインフレになってはいけない。彼とはいろんなやりとりをしたし、実際僕はアクション部の人間みたいに彼に接していましたよ(笑)。剣心のレベルが上がりまくってたので」。
両作品を観ればわかるが、立ち回りの量が尋常じゃないことは素人でも気づく。「四乃森蒼紫(伊勢谷友介)VS.剣心戦で400手以上、志々雄真実(藤原竜也)戦は、もう異常(笑)。もはや、手数の問題ではなくなっている」。しかし、当の本人は臆することなく、着実にマスターしていったという。「彼は真摯に立ち回りをじっくり見て、それが剣心にフィットすると思うと、瞬殺で覚える。納得する=理解するということなので、その後の吸収は早かったですよね」。
素人目にもハッキリとわかることは、今作の佐藤 健は気迫が違う。それは緋村剣心というキャラクター発信の心情とリンクして、観る者を一気に作品世界へ誘うパワーを放っている。その覚悟と仕事、谷垣氏も現場で驚嘆した。「彼は期待に応えようと、孤独に自分と向き合っていたと思います。自分でも言っていたけれど、今回は自分の役柄しか頭になかったと。やっぱり剣心がダメだと映画全体がダメになって、反対に剣心がよければ相乗効果で波及伝播して、全員がよくなるという理屈。とにかく、すごく強い意思を感じました」。
そして"佐藤"剣心は、「レベルが上がりすぎていて、彼の"やりやすいタイミング"とか"やりやすい動き"とかって当然出て来ると思うんですよ。それを時には封じて、時には追い込んで、いろんな表現をしていかないと、アクションというのはすぐ"段取り"の世界になりますから。それって、上級者ならではの悩みですよ。彼は、そこまで来ています」と、高評価を贈る谷垣氏。シリーズは今回で一応の終焉を見る。これ、見逃している場合じゃない!
(おわり)
映画『るろうに剣心 伝説の最期編』は、大ヒット超拡大全国公開中!
(C) 和月伸宏/集英社 (C) 2014『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』製作委員会
■参照リンク
・『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin/index.html
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