通学途中の全盲少女が、何者かによって足を蹴られて負傷するという事件が発生したのは、9月8日のこと。同日朝、少女はJR川越駅からバスへと乗り換えるために、点字ブロックの上を歩いていたところ、少女が使用していた白杖と歩行者が接触。それによって転倒したと思われる人物が、その後、立ち上がると少女の足を蹴り、逃走したという。
この「転倒したことによる腹いせ」と思しき行為について、マスコミ各社は連日報じているが、その一方で、ネット上からはこの少女に対する批判が相次ぐという、前代未聞の事態へと発展。物議を醸している。
【動画】http://youtu.be/_AWmBR-SoJ4
「逆に朝のラッシュ時に全盲の生徒を公共交通機関で通学させるのは虐待じゃないの?と思う訳です。普通の人だってぶつかるよ?」
「全盲の女子生徒の件は都会の混雑駅とかラッシュ時の駅にいる奴が悪い部分もあるだろ」
「弱者ヅラかどうかは別としてそういう特権が横行しているのは事実だろう」
「全盲の女子生徒が蹴られた事件に同情出来ない自分はおかしいのか」
「ただでさえ朝の通勤ラッシュは健常者でも困難な状態なのだから通学時間をズラせばいいのに」
...と、ネット上からは、少女に対する擁護の声よりも、少女に暴行を加え、現場から逃走した被疑者に対して、理解と擁護を求める声が。また、健常者であっても事故が起きやすい朝の混雑時に通学させている学校側への批判も、少なからずあがっているようだ。
障害者に限らず、それが不特定多数の実に様々な人々で成り立っている以上、社会というものは、誰もが安全に、安心して暮らせるような環境であることが 望ましいことは、殊更言うべきものでもない。そうした意味で言えば、双方が何らトラブルに発展することなく、支えあえる社会であるために、為政者側がとるべく方策は数多、存在していると言える。
衝突事故をきっかけに暴行を受けた少女も、また、彼女に傷を負わせた人物も、こうした形での接触でなかったとしたら、もっと違った形での出会いになっていたかもしれない。今年4月にも、兵庫県内のスーパーで、同様の事件が発生し、全盲の女性が顔を殴られ、骨折するという事件が起きている。そうした意味でこの事件、社会全体として取り組むべき課題を、我々ひとりひとりが、突きつけられているように思われてならない。
文・今岡憲広
■参照リンク
・白杖もつ全盲女子生徒、突然背後から足蹴られけが youtube
http://youtu.be/_AWmBR-SoJ4
・加害者への同調がツィッターで続出
http://matome.naver.jp/odai/2141040600248450501
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