会社の上司や得意先に自分のアイデアが認められたり、会議で自分の意見が通ったりすると、嬉しくなるもの。一方、いくら努力しても、こちらの意図をなかなか理解してもらえなかったり、認められないことだってある。そんな時、「理解しない相手に問題がある」と思ってしまう人はいないだろうか? もちろん、そんな場合もあるだろうが、多くのケースでは、自身のプレゼン能力や伝達能力が、不十分であることがほとんどだ。
どうしたらそういった能力を高められるのだろうか。
書籍『伝わっているか?』(宣伝会議)の著者は、日産自動車セレナのキャッチコピー「モノより思い出」の生みの親で、サントリー『伊右衛門』など数々のヒットCMを手掛けた人気コピーライター・小西利行氏だ。
本書は、言葉のプロである小西氏によるコミュニケーション上達のための本。
小西氏は"伝え下手"な人の根本的な誤りについてこう指摘する。
「『伝える』ことばかり考えると、結局、相手のことを考えず、自分の意思を押し通すエゴになってしまうからです。(中略)『伝える』のは自分だけでもできますが、『伝わる』には相手が必要です。つまり、『相手に伝わる』ようにするためには、相手のことをたくさん想像しなければいけないわけです」(本書より)
自分が伝えたいことだけを考えるのではなく、相手が望むことを想像し、"伝わる"よう努力することがコミュニケーションには大切、と語る小西氏。そんな彼も、以前はかなりのコミュニケーション下手で、会社の上司からは何度も「向いてないから辞めた方がいい」言われるほどダメコピーライターだったとか。
しかし、多くの失敗と試行錯誤を経た結果、徐々に「伝わる言葉」の作り方、使い方、考え方がまとまるようになり、それを『伝わるメソッド』として一冊の本に収めたのが本書なのだ。
なお、本書は主人公の語り手"いるか"が全10話の短編ストーリーを通じて「今すぐに使える20のメソッド」を紹介していく内容となっている。ありがちなビジネス本とは違い、ストーリーに沿って各メソッドを落とし込んでいるので、読みやすく理解もしやすい。自分の努力を確実に、結果に結び付けたい人は是非、本書をチェックしてみてはいかがだろうか。
【書籍データ】
・『伝わっているか?』小西利行著 宣伝会議
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