7週連続で『ファーナス/訣別の朝』のキャラクターを紹介していく連載第3弾に登場するのは、怪優ウディ・ハレルソンだ。
ハレルソン演じるラマポ山脈奥地の犯罪組織のボス、ハーラン・デグロートは、冒頭から理不尽極まりない暴力で観客を唖然とさせる。凶暴な闇を持つハーランは、主人公ラッセル(クリスチャン・ベイル)と弟ロドニー(ケイシー・アフレック)の運命に暗い影を落とす存在となっていく。
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)のシリアルキラーぶりで一躍有名になったハレルソンは、『ラリー・フロント』(96)ではポルノ王と呼ばれたハスラーの創始者を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネート。『メッセンジャー』(09)では、戦死者の遺族に第一報を伝える任務を背負った兵士の苦悩や葛藤を見事に表現した演技で、同賞最優秀助演男優賞にノミネートされるなど、個性派俳優として独自の道を歩み、批評形からの評価も高い。
そんな彼が今回演じるのは、地元犯罪組織を牛耳る残忍で狡猾な男ハーラン・デグロート。人を騙し、薬、賭けごと、あらゆる悪事に手を出して金を稼ぐ極悪人だ。借金に苦しむロドニーは、一攫千金を稼ぐためにハーランが取り仕切るストリートファイトに参加する。弟の借金を心配し、危険な賭けごとから引き戻そうとする兄のラッセル。二人の兄弟の前に立ちはだかる極悪非道な宿敵こそハーランなのだ。
映画はドライブインシアターで理不尽に暴力を振るうハーランの姿で幕を開ける。女性に対する暴力を注意された彼は、車から出て注意した男に襲いかかる。獲物を捕らえる野獣のような表情をする彼の目には狂気が宿っている。ハレルソンは、「僕が演じた中で最も極端なキャラクター」と語り、かつてのシリアルキラーぶりを上回るほど危険な雰囲気を漂わせている。
ベイル演じるラッセルとハーランは、ウィレム・デフォー演じるジョンの店で初めて顔を合わせる。両者ともに視線をそらすことなく互いの姿をとらえ、2人の闘いはすでにここから始まっているかのようだ。
製作陣に「この役に扮したウディには絶対近づきたくない」と語らしめたハレルソンの凶暴な姿は、観客の度肝を抜くに違いない。
『ファーナス/訣別の朝』は、9/27(土)より全国ロードショー
■ウディ・ハレルソン プロフィール
1961年7月23日、アメリカのテキサス州ミッドランドに生まれる。大学で舞台芸術を学ぶ。卒業後にニューヨークに移って本格的に演技に打ち込み、テレビ・シリーズ『チアーズ』でエミー賞コメディ部門の助演男優賞を受賞。『ワイルドキャッツ』(86)で映画デビューを飾る。『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)でシリアルキラーの主人公を演じて一躍注目を浴びた。『ラリー・フリント』(96)では実在した雑誌出版者を演じてアカデミー賞ほか様々な映画賞の主演男優賞にノミネートされ、俳優としての評価を確かなものにする。その他の主な出演作は、『幸福の条件』(93)、『シン・レッド・ライン』(98)、『オースティン・パワーズ:デラックス』(99)、『ノーカントリー』(07)、『メッセンジャー』(09)、『ハンガー・ゲーム』(12)、『グランド・イリュージョン』(13)など。待機作には『ハンガー・ゲーム』の続編がある。
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【参照リンク】
・『ファーナス/訣別の朝』公式サイト
http://furnace-movie.jp/
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