ラブストーリーの新境地を開拓しアカデミー脚本賞を受賞した『her 世界でひとつの彼女』。斬新かつ繊細なストーリーはもちろん、近未来感を絶妙に表現した衣装など細かな見どころも多い本作だが、これまでのスパイク・ジョーンズ作品同様、やはり"音楽"も重要な役割を担っている。
全体的にうっすらと紗がかかったような少しレトロで美しい映像と相まって、まるで映画にやさしく寄り添っているかのような本作の音楽たち。中でも印象的なのは、ジョーンズ監督作『かいじゅうたちのいるところ』(2009年)で全ての音楽を手がけたカレン・O(オー)が歌う主題歌「The Moon Song」だろう。
デヴィッド・フィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)のオープニングではトレント・レズナーと共にレッド・ツェッペリン「移民の歌」のカバーを披露したカレン・Oは、ニューヨークを拠点に活動するYeah Yeah Yeahsのシンガー。今やNYのシーンを飛び出し世界的な人気を誇るロックバンドだ。
そんなカレンが監督と共作した「The Moon Song」は、アカデミー歌曲賞にもノミネートされた名曲。劇中でフェニックスとヨハンソンが一緒に歌うシーンもあるが、本編の最後に再び耳にするときには、また違った感情がこみ上げてくるはずだ。かつてジョーンズ監督と交際していたこともあるカレンだけに、作品の本質を捉えた切なくも暖かなラブソングになっている。
バンコク在住のマンガ家、ウィスット・ポンニミットが本作の世界観をイメージして製作したアニメーション映像も、楽曲の世界感を絶妙に表現しているので、ぜひ歌詞をふまえたうえで本作を劇場で鑑賞してみては?
【動画】http://youtu.be/DBpusXkbn1M
近い未来のロサンゼルス。長年連れ添ってきた妻(ルーニー・マーラ)と別れたばかりで、想いを引きずっているセオドア・トゥオンブリー(ホアキン・フェニックス)はある日、最新型人工知能(OS)"サマンサ"(スカーレット・ヨハンソン)と出会う。実体を持たない彼女は"音声"でしかないのだが、デバイス画面の奥から発せられるその声は個性的で繊細かつ洞察に満ちており、セオドアは次第に"彼女"に魅了されていくのだった...。
『her/世界でひとつの彼女』は大ヒット公開中
【参照リンク】
・『her/世界でひとつの彼女』公式サイト
http://her.asmik-ace.co.jp/
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