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ビジネスの世界で活躍するのに欠かせない能力の一つに、「聞く力」というものがあります。自ら話すことももちろん大切ですが、成果を上げている営業マンの多くは、相手のオーダーを聞き出す術に長けており、話すことよりも聞くことに注力している程です。


ここで簡単なテストを行なってみましょう。書籍『あっという間に仲間ができる「話し方」』では、対話型の例文を見て、どこがおかしいかわかるかテストをしています。その例文は下記のもの。早速読んでみましょう。聞き下手な人の特徴がよくわかるテストとなっています。

A「最近、寒いですね~」
B「でも、昨日みたいに雨が降らないだけマシですよ」
A「そうですね。昨日は大変でしたね~」
B「昨日、何かあったんですか?」
A「健康のために今月からジョギングを始めたんですが、昨日の雨と寒さで......」
B「えっ! 私もジョギングしていますよ! 去年はホノルルマラソンにも出ました!」
A「そうなんですか」
B「出たことあります? ホノルルマラソン?」
A「いえ」
B「いいですよ~。暖かくて景色がきれいで、もう最高ですよ!」

このAとBの会話ですが、明らかにBの対応はおかしいですよね?
Bのよくない返答が三箇所ありますが、気づきましたでしょうか。

同書では、お笑い通の関西弁賢者というキャラがこの例文を解説。ます最初におかしいのは、「でも、昨日みたいに雨が降らないだけマシですよ」の部分。相手の話を聞いた後に、「でも」「しかし」「いや」など、否定から入るのはアカンと賢者はご立腹。「どうしても否定したい場合は、最初に肯定してから否定すべきやな。この場合やと、『そうですね。でも~』と、してやるだけで印象が変わるやろ」と指摘しています。

続いては、「えっ! 私もジョギングしていますよ! 去年はホノルルマラソンにも出ました!」の部分。ここでBは相手の話したいことを無視し、自分の言いたいことだけを話しています。これはよくありません。まずは、昨日のジョギングについて掘り下げてあげるべき。せっかく、相手からジョギングというキーワードを引き出したのに、自らその話を自分のものにすり替えるのは、デメリットでしかありません。

最後に、「出たことあります? ホノルルマラソン?」。その前にAは今月からジョギングを始めたと言っています。ですので、ここでホノルルの話題を出すのは、B本人がその話題を話したかっただけという本心が、Aにもバレてしまいます。相手の話をちゃんと聞いていないので、失礼な質問や場違いな質問をしてしまうのです。

一見、うまく会話をしているBに見えますが、実際には聞き上手とは決して言えないレベル。このBの会話を見て、「どこが悪いのかわからない」となっている人は、少し問題ありかもしれません。早めの修正をおすすめします。

【書籍データ】
・『あっという間に仲間ができる「話し方」』 田中イデア著 サンマーク出版

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