先月25日、岩手県滝沢市で開催されたAKB48の握手会イベント会場で、メンバーらが男にのこぎりで切りつけられ頭部や手にけがを負う事件が起きた。今月7日に開催される第6回総選挙直前に起きた惨劇。この事件が、同グループの今後の活動にどのような影響を及ぼすのか、もしくはより強い団結力でこの苦境を乗り越えるのか、今まさに注目が集まっている。
そんなAKB48をメンバー選出から国民的アイドルにまで育て上げた、ダンスプロデューサー夏まゆみ氏が書籍『ダンスの力』を上梓した。本書は、愛と涙でもって「教え子」たちを育成してきた日々を綴った夏氏渾身のノンフィクション作品。
今では多くのファンに支えられ、あらゆるシーンで活躍するAKB48のメンバーだが、夏氏は本書の中で、「オーディション時、彼女らはいたって普通の子と同じだった」と述懐している。"普通の女の子"が国民的アイドルに育つまでには一体どれほどの壮絶な戦いが隠されていたのか。本書では夏氏だからこそ知ることのできた、また書くことを許された数々の「真実」が明らかにされている。
たとえば2012年夏に卒業した元センターの前田敦子について。
レッスン中、常に下を向いているような内気な子だった彼女。決して、明るいタイプの女の子ではなく、またセンターとして活躍していた時も、第三者から見れば「不機嫌そう」に映っていたこともしばしばあったという。しかし、それは彼女が誰よりもストイックに努力をし、一方で自分への苛立ちを常に感じていたためでもあった。夏氏は人一倍ストイックな性格ゆえに苦悩する前田の気持ちを理解し、時に突き放し、時に包み込み、育ててきたのである。
ある日、夏氏は前田敦子を舞台に呼び出し、センターに立つものとしての自覚を持たせるため、こう話したそうだ。
「ここは誰もが立てる場所じゃないんだよ。センターには『舞台の神様』がいて、ここに立つことができるのは、その神様に選ばれた者だけなんだ。ここに立つものが努力をした分の何百倍も輝くことだできるけど、努力をしないと逆にものすごくひどい結果に終わる」(本書より)
もちろん夏氏がこのような厳しさと優しさでもって指導、育成したのは前田敦子だけではない。
彼女のように「普通の女の子」の集まりであったAKB48がトップアイドルとして活躍するようになるまでの長い道のり。彼女達は皆、その道を自らの力で歩んできたのだ。
だからこそ、今回のような事件に負けるわけにはいかない――メンバーも、そして夏さんもそう思っているのではないか。
【書籍データ】
・『ダンスの力』 夏まゆみ著 学研パブリッシング
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