5月28日に『徹子の部屋』(テレビ朝日)に出演したカルーセル麻紀は、2011年に閉塞性動脈硬化症を患い、右足の切断の危険もあったことを告白した。幸い寸前で病気が発覚、手術も成功したが、翌年には左足が同じ病気になり、再び手術を行ったという。
カルーセル麻紀の手術といえば思い浮かべるのは性別適合手術だろう。幼い頃から自分は女性だと性別に違和感があったカルーセルは、15歳で家出し札幌のゲイバーで働いた後、青森のショーパブを経て、芸名の由来ともなった大阪の「カルーゼル」に勤務。だが、19歳くらいになると身体つきが男性化していくことに恐怖を覚え始めたのだ。友人に相談すると「睾丸を取ればいい」という結論に達した。
当時、睾丸摘出手術は日本では認められていなかった。しかし、ある性病科の医師が「盲腸より簡単やで」と引き受けてくれたという。
気が強いカルーセルは、どんなふうに除去されるかを見たいと申し出て局部麻酔で手術を受けた。ところがオペして次の日くらいから内出血が始まってどんどんどんどん膨らんできてしまう。「取ったんじゃなくて入れたんじゃないの?」と友人に言われるほどだった。その後、膿を取る手術をしたが傷口がなかなか塞がらなかった。
「舞台は決まってるし、傷口がなかなか塞がらないんですよ。しょうがないから消毒して自分でホチキスで留めながら。上から絆創膏貼って舞台に立ちました(笑)」(『解禁!暴露ナイト』14/2/6)
そして30歳のとき、ついにカルーセルは陰茎の切除を決意する。その頃、カルーセルはパリでゲイバーを営んでいたが、モロッコで性転換手術をしたものすごい美女の存在を知ったのだ。病院を調べ手紙を出し、現在の1000万相当の金額で手術を受けることになったのだ。
「おちんちんって切るわけじゃないんですよ。皮を剥く。バナナみたいに。それで中の海綿体を取る。男性っていうのは蟻の門渡り(陰部と肛門の間)が空洞なんですよ。そこが女性器になる。そこから直腸につなぐわけね。それで必要なのが(陰茎の)皮なんですよ。裏返して(穴の壁にして)直腸につながるようにする」(同前)
だが、癒着がうまくいかず化膿してしまう。普通なら1週間くらいで退院できるが、その期間を超えても高熱がおさまらなかった。何も食べれず言葉も通じず死も覚悟した。そんな中、唯一会話のできた看護師にお金を渡し「オペの道具持ってきてくれ」と頼んだのだという。
なんと自分で手術をしたというのだ。もちろん麻酔もなしに。
「自分で腐ったところを出してはさみで切って、捨てて自分で消毒して。痛いとかそういう問題じゃなくて、自分が『生きたい』と思ってこのままじゃ死んじゃうなと思ったから」(同前)
壮絶な手術を経て身体的な性別を適合させたカルーセル麻紀。法的に戸籍上、女性と認められるのには、さらに30年あまりを待たなければならなかった。
文=てれびのスキマ(http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
【参照リンク】
・カルーセル麻紀 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/carrousel-maki/
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