実写版『闇金ウシジマくん』シリーズは、どれもこれも面白すぎるが、その理由のひとつに"キャスティングの妙"がある。およそ原作コミックを実写化する場合、演じる俳優と原作キャラクターを比べて論争が起こりがちだが、こと『闇金ウシジマくん』シリーズにおいてはウシジマ役の山田孝之を筆頭に"ハマリ役"として好評を博している。そして、そのキャスティングの責任者が、他ならぬ生みの親でもある山口雅俊監督。『闇金ウシジマくん Part2』の大ヒットを祝す意味も込め、実写版『闇金ウシジマくん』シリーズにおけるキャスティングの基準、そして映像化したことで生まれた"意外な余波"までを聞いた。
数多くの映像作品を手がける山口監督は、そもそも「原作があるということは、そのファンにはどうしたって最初は怒られる(笑)。大切なだけに過敏なわけですね」と原作モノを映像化する際の苦労を語る。今でこそ大人気シリーズとなった実写版『闇金ウシジマくん』シリーズでさえ当初は、「ウシジマを山田君が演じるってニュースが出た時に、それはイメージが違う、みたいな声もありましたよ(笑)」と平坦な道ではなかったという。「ただ、キャスティングにおいては原作のスピリット、魂みたいなものを忘れちゃダメで、その根っこを押さえれば、結果的にいいキャスティングになるはず。それを信じていました」。
この原作の種(シード)を重視した時、俳優の見た目要因のほかに、演じる俳優の実力も当然重要になる。この点、ウシジマ役は山田以外にいなかったと、山口監督は回想する。「ウシジマに生身の俳優を当てるということは、ウシジマくんというマンガの中のキャラクター造型の根っこにある部分を噛み砕いて、咀嚼して、消化して、実写化の作業の中で役柄になりきれる俳優である必要があったわけです。それが山田孝之だったということ」。
最初の実写版『闇金ウシジマくん』が始動する前、すでに山田孝之は日本を代表する若手俳優だった。今や後進の目標的存在で、共演を熱望する若手俳優たちも多いと聞く。長年一緒に共闘した山口監督も、山田の高いプロ意識に感心したという。「彼はウシジマについてのインタビューでこう言っています。"自分は役の上で裸になろうと、悪い役を演じようと、まったく恥ずかしくない。それは、すでにそこにいる人間は山田孝之ではないから"だと。それは俳優としてみれば当然とは言え、やはり見上げたもので、だからこそこれだけの共演俳優もそろう」。
そして、その好影響は、原作者の真鍋昌平にも波及しているのではと山口監督は分析する。「実際、真鍋さんが山田君のウシジマを観て、漫画のヒントになっているとおっしゃってくれた。つまり映像版のウシジマが原作に立ち戻って、逆に影響を与えていることがあるわけですよ。この間、与沢翼さんが破産して、ちょうどいま「フリーエージェントくん」編ですが、着想の段階で、映画版のPart1の冒頭のシーンにインスパイアされて、真鍋さんは書いていると思う(笑)」と意外な、そしてファンとしてはうれしい余波まであるという。これも、最高のキャスティングが実現した影響の一種(?)。ともあれ、最高のキャスティングが実現している、実写版『闇金ウシジマくん』シリーズ。スクリーンで観ておいて、絶対にソンはないですよ!
映画『闇金ウシジマくん Part2』は、大ヒット上映中!
【参照リンク】
・『闇金ウシジマくん Part2』公式サイト
http://ymkn-ushijima-movie.com/movie/
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