もし、自分がビジネスの場面で上司という立場になったとき、男性の部下だけはなく女性の部下の気持ちも、察せれるようになる必要があります。同性の気持ちなら、すぐにわかるものの、女性の気持ちになると......、何だか面倒くさくて苦手としている人もいるのでは?
現に、「女の言い分、男の言い分──職場での男女の違い」について調べてきた、コンサルタントのパット・ハイム&スーザン・K・ゴラントの研修には、男性の参加者が急増中のようで、今ではその4割が男性だといいます。この手の研修に男性が関心を示すようになってきたのです。
異なる文化の中で育ってきた男性と女性は、それぞれ正しいと思っている行動に大きな違いがあります。しかし、その文化の違いを理解せず、自分が当たり前という言動を行うので、軋轢が生まれたりするのです。
なかでも顕著な違いとして「仕事の進め方」があります。男性は「ゴール」に集中して仕事を勧めますが、女性は「過程」に集中して仕事を進めると、書籍『女性が知っておくべきビジネスのオキテ』の中で両氏は指摘しています。とりわけ、女性の問題処理能力について疑問がつくことが多いですが、これは、女性があれこれと多くの仕事に従事しているためであって、決して能力が低いわけではないのです。「ゴール一直線に仕事をすることを良しとする男性にとって、複数の仕事を掛け持つ女性は注意力散漫に見える」、ただそれだけのことなのです。
エール大学医学部の教授がMRIスキャナーを使い、被験者に同じ韻の言葉をあげてもらい、その間に脳を撮影し、脳の活動部位を調査しました。すると男性の画像は、活動部位を示す光は脳の左側にポツリと出たのに対し、女性の画像はピンボールマシンのようで、脳の両側でいくつもの点が一斉に光ったのです。
「脳の一部だけを使う男性は、まっすぐ最終地点に向かいますが、女性は遠回りのルートを選びます。男性はこの遠回りになじめず、女性の話にイライラする......。だからよく言いますよね、"で、言いたいことは何なの?"」(『女性が知っておくべきビジネスのオキテ』より)
つまり、女性は男性よりもずっと楽に、たくさんの問題を一度に処理できるのです。とはいえ、男性が権力も持つ社会の現場では評価されないことも......。そういった女性ならではで優位性のある能力は、あまり明るみになってはいません。次世代を担う上司としては、女性の特徴や優位性について、もっと積極的に知る必要があるのではないでしょうか。それが自身を助けることにもなりそうです。
【書籍データ】
・『女性が知っておくべきビジネスのオキテ』パット・ハイム&スーザン・K・ゴラント著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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