ハードボイルド小説の金字塔ともいえる、レイモンド・チャンドラー原作「ロング・グッドバイ」が、浅野忠信主演でドラマ化、4月19日より全5回でNHK総合にて放送される。
チャンドラーの「ロング・グッドバイ」は、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公にしたシリーズ第6作目。あの村上春樹が2007年に翻訳したことで日本でも改めて話題となったが、今回ドラマ化にあたって脚本を務めたのは、連続テレビ小説『カーネーション』や『ジョゼと虎と魚たち』、『天然コケッコー』など数々のヒット作の脚本を執筆した渡辺あや。
城谷厚司プロデューサーいわく、渡辺氏に原作を勧められて読んだのがそもそもの企画の始まりだったそうで、「一読してすっかりこの物語に魅了され、これを日本に置きかえるとしたらどんなヒーロー像が魅力的か、どの時代を舞台にするのが相応しいか、などあれこれ構想を練っていくのが楽しく、そのまま連続ドラマの企画に育っていった」そうだ。
渡辺氏は、今回のドラマ化にあたり、「原作の主人公フィリップ・マーロウは、1950年代を生きるアメリカの中年男です。ところが不思議なことに、彼にそなわる魅力や美質は、日本においても古くから尊ばれているようなものととても似ていて、増沢磐二として生まれ変わらせるのに、ほとんどなんの苦労も要しませんでした。本当の『カッコよさ』というのは、どの時代、どの国においてもわりと通じるものなのかもしれません。それがお金や地位ではかれるものではないことも、本人にとってはただ孤独で厳しい『道』の、その途中にあるにすぎないことも」とコメントしている。
出演は、主人公・増沢磐二役に、連続ドラマの主演はこれが初となる浅野忠信。女優の妻を殺害した容疑をかけられ、逃亡先の台湾で自殺する磐二の親友・原田保役に綾野剛、保の亡妻・志津香役に太田莉菜、事件をもみ消すメディア王・原田平蔵役に柄本明、酒に溺れた小説家・上井戸譲治役に古田新太、出版社の編集者役に田口トモロヲ、事件の核心を握る美女・亜以子役に小雪、と実力派の豪華キャストが脇を固める。音楽は『あまちゃん』など数多くのヒット曲を手掛けた大友良英。
1950年代半ばの東京。女優・原田志津香(太田莉菜)の夫・保(綾野剛)は妻殺しの容疑をかけられ、逃亡先の台湾で自殺を遂げた。保の親友で私立探偵の増沢磐二(浅野忠信)は彼の死に疑問を抱くが、事件は時の権力者でメディア王でもある原田平蔵(柄本明)の手でもみ消される。その後別の事件で原田家の隣人たちと関わるようになった磐二は、事件の核心を握る絶世の美女・亜以子(小雪)にたどり着くのだが――。
土曜ドラマ『ロング・グッドバイ』は、4月19日(土)よりNHK総合にて、毎週土曜21時~21時58分放送(連続5回)
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