国立情報学研究所の人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」が、開発を進めているロボット「東ロボくん」。私たちの生活のなかにコンピューターが浸透して久しいですが、とうとうロボットが東大を目指す時代になりました。昨年、挑戦した代々木ゼミナールの模試では、文系・理系とも「偏差値約60」という結果を残しており、本当に東大に合格するのも、そう遠くはないかもしれません。
今後ITやAI(人工知能)が高度なものになると、私たちの生活が豊かになることが想像できます。しかしその反面、「自分の仕事がそれらに奪われるんじゃないか」と、心配する声も聞こえてくるようになりました。
「ITを使う人とITに代替される人」について語っているのが、書籍『君の働き方に未来はあるか?』の著者である大内伸哉氏です。
大内氏は、人間はITと競合しないよう、ITが得意としない分野に進出する必要があると言います。例えば、感情や完成の部分。「介護などの対人サービスが雇用吸収力のある成長産業と言われているのは、高齢化が進むために労働需要が増えるということだけでなく、ロボットなどITで代替できる余地がまだ少ないか、あるいはコスト的に合わない状況があるから」と分析しています。
とはいえ、これもいつかはロボットに代替される時代がくる可能性があります。安価で性能の高いロボットはいつ登場するかわかりません。ロボットの登場はつまり、人間の労働力の駆逐を意味します。
そんな未来について大内氏は、それはそれで、新たな雇用を生み出すと睨んでいます。
「ITを使って事業が拡大すれば、別のところで雇用を生み出す可能性はあります。また、ITを使用することにより、それを管理する仕事や技術的なメンテナンスの仕事も増えるでしょう」
つまり、ITを使う側が仕事の恩恵を受けることになるのです。また、IT技術の進展にかかわる技術者や研究者、また、IT製品の製造業者も仕事にありつけると大内氏はいいます。
ITに使われるのか、それともITを使うのか、その立ち位置が今後の勝ち負けにつながることを見据えながら、自分の将来を考える時代になったといえそうです。
【書籍データ】
・『君の働き方に未来はあるか?』大内伸哉 光文社新書
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