妻夫木聡と北川景子が共演していることで話題の映画『ジャッジ!』。脚本はソフトバンクモバイルの「ホワイト家族」シリーズなどを手がけたCMプランナー・澤本嘉光、監督はCMディレクターの永井聡という、広告業界を知り尽くした2人が、映画では国際広告祭を舞台に、新人広告マン(妻夫木)が奮闘するドタバタコメディを描いている。
妻夫木のニセの妻役を北川、「無茶と書いてチャンスと読む」と力説するムチャぶり上司役に豊川。そして、教えてくれることといえば、グルメ英会話集の暗記やペン回し、「カマキリ」のポーズと意味不明なことばかりの窓際社員にリリー・フランキーと、配役も役柄も突っ込みどころ満載。本筋だけでなく、ちりばめられた「小ネタ」も人気だが、なかでも気になっている人が多いのが、「ペン回し」だ。リリーが披露するペン回しの芸が、超人的すぎるのである。
エンドロールには「ペン回し指導」として、ペン回しパフォーマー・Kay氏らの名前がある。Kay氏の監修のもと、実際に"リリーの手"を演じた慶應義塾大学ペン回し研究会の三須雄介君に話を聞いた。
――ペン回しは、いつから?
「中2で、友だちがペン回しをしているのを見て、すごいなと思って。インターネットで、動画を見て研究しました」
――大学受験そっちのけでやっていたとか......
「そもそもペン回しって、浪人の人が駿台とか代ゼミとか、予備校でやっていたのがきっかけとなって広まったという説があります。
僕もペンを回していたら浪人してしまって(笑)。結局、ペン回し研究会がある慶応大学に入学しました」
三須君が入部したときには、最初5人くらいだったという同研究会。現在では12人おり、教室で昼ごはんを一緒に食べながら上級生や経験者が初心者に教えたり、放課後に集まったりして、ペン回しの練習にはげんでいるという。
――ペンさえあれば、居酒屋でもどこでもできますもんね。ペンって、何かこだわりがあるんですか?
「実はペン回し用のペンというものがあって、チップなどの部品を組み合わせて、自分で作ります。普通のボールペンやサインペンよりも、遠心力が高まるように、長めになっています」
――リリー・フランキーさんの手を演じたということですが。
「最初、『日本ペン回し協会』というところにオファーがあって、僕の手の形が、リリーさんに似ているということで」
――手の形が、指が長くてきれいですよね。撮影はどんな風におこなわれたのですか?
「シーンごとに、2日間です。僕はリリー・フランキーさんが演じる鏡さんのほかに、広告祭審査委員長のジャック(ジョン・オーエンズ)が回すシーンも担当しました。
いつも回しているのと違って新鮮だったのは、撮影の都合上、"フィニッシュのときはこの角度で止めて"といったようなオーダーがあったことです」
そんなオーダーにも、3テイク以内には決めたという三須君。手の上にペンを載せれば、自由自在なのだ。
――リリーさんの全身が映っているところなどは......
「僕の手を合成しているんです。全然わからなくて、すごいですよね!」
なんと、リリーさんがペン回しをしている手は、すべて三須君の手なのだという。エンドロールにある「ペン回し指導」は、実際に俳優の手を演じた三須君なども含まれているようだ。
ちなみに、今ソチ五輪が熱いところだが、ペン回し界にも世界大会がある。項目別に滑らかさ、安定感、テクニカル、独創性などの評価ポイントがあり、ネット上に動画を投稿して競うシステムで、偶数年では「ワールドカップ」として国別団体戦、奇数年は「ワールドトーナメント」として、個人戦が行われる。2014年の「ペン回しワールドカップ2014」には、前出・Kay氏も出場が決定している。
【参照リンク】
・慶応義塾大学ペン回し研究会
http://keiops.web.fc2.com/index.htm
・慶應義塾大学ペン回し研究会新入生PV
https://www.youtube.com/watch?v=jrs8EDG-Muo
・ペン回しパフォーマー・Kayさんのブログ
http://ameblo.jp/kay-spin/
・ペン回し世界大会2014
http://worldps.org/wc14/
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