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他の先進国と比べて総労働時間が長いと言われる日本。そんななか、毎日4時45分に終業し、社員がきれいさっぱり帰る会社があります。未来工業株式会社は、岐阜県に本社のある電設資材メーカー。この1日に7時間15分しか働かない会社は、残業禁止かつ仕事の持ち帰りも禁止。おまけに休日は年間140日で、年末年始は20日連休、お客に怒られてもやるというのが会社の方針。そんな同社は、厚生労働省から「日本一休みが多い会社」として表彰されている会社でもあります。


休みが多いからってその分収入が少ないというわけではありません。社員780人全員が正社員で、60歳時の年収のままで一切減額せず、本人の希望に応じて70歳定年制を採用しています。年商は314億円(2013年3月期)。創業からの平均経常利益は13%を超えています。「日本一休みが多い会社」は「日本一幸せな会社」とも言えるのかもしれません。

そんな同社の社長でもある山田昭男氏は、上司の部下への接し方について独自の考え方をもっています。山田氏の著書『毎日4時45分に帰る人がやっているつまらない「常識」59の捨て方』を開いてみました。

山田氏の教えはこう、「喉まで出かかった言葉を一日我慢すれば、たいてい口にする必要がなくなる」。

どんな上司でも、ついカッとなって部下を叱りつけたことがあるでしょう。しかし、その出てしまった言葉を一日我慢してみようというのが山田氏の考え。

イラッとした瞬間に口に出した言葉は、たいていの場合、後々後悔してしまうもの。その言葉を一日我慢すれば、言う必要のない言葉だったと気づくことができます。

「上司のダメ出しは、部下の不満の種になりやすく、それが声を張り上げての叱責となれば、なおさらだ。一日我慢できれば、『つい怒ってしまった』という後味の悪さも残らない」(山田氏)

有名な論語、「小忍ばざれば則ち大謀を乱る(小さなことを我慢できなければ、大きな計画を達成することはできない)」を引用して、感情のおもむくままに部下を注意してはいけないと山田氏は語ります。

大切なことは力でねじ伏せるのではなく、部下をどうやる気にさせるか。様々な無駄を省くことで、山田氏は未来工業を「日本一幸せな会社」に成長させました。部下との関係に悶々としているあなた、一度、山田氏の言葉に耳を傾けてみませんか?

【書籍データ】
・『毎日4時45分に帰る人がやっているつまらない「常識」59の捨て方』山田昭男著 東洋経済新報社

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