公開中の『フィルス』でジェームズ・マカヴォイ演じる刑事ブルース・ロバートソンは、控え目に見てもトンだ下衆野郎だ! ナイスマンなマカヴォイのイメージとはほど遠いが、『トレインスポッティング』(96)の原作者でもあるアーヴィン・ウェルシュと、監督のジョン・S・ベアードは、本作のマカヴォイこそ真のマカヴォイだ! と口を揃えて指摘した!
原作者のウェルシュ自身、最も映画化を切望したブラック・コメディー小説を、新進気鋭の監督ベアードが実現。スコットランド人刑事ブルースは、ポルノ・売春・不倫・アルコール・コカイン上等の、まさしく下衆の極み! 特技は同僚や友人を陥れる裏工作と残業の不正申告という、救いのない野郎だ。そのクズが残忍な日本人留学生殺人事件を追う過程で、自分の過去と対峙。いつしか"追われる身"になってしまうというクライム・コメディーだが、とにかくマカヴォイの熱演がすごすぎて、映画を観たウェルシュ氏も興奮気味に語る。「まったく、すごいよ(笑)! ヤツの演技は本当に素晴らしくて、観る者をとらえて離さないわけだ。一度捕まえたら、ラストまで引きずり回されちまうだろうよ!」。
このマカヴォイの狂人演技、彼と初めてホテルで会った時に、すでに素質を感じ取ったとベアード監督は回想する。「いやー、後で知ったことだけれど、彼は毎晩ウィスキーのボトルを半分飲み干していたそうだよ(笑)。理由だって? 主人公のブルースが、どういう気持ちになったかを知るためだよね。それに、堕落した見かけも近づけようとしていた。要するに皆が思っているパブリックイメージとは、違う男だということ(笑)。この映画で彼のイメージは、相当変わる。僕たちもこの彼がいいと思う」と絶賛! マカヴォイは自身の"フィルス"要素を拡大するため、捨て身で準備をして撮影に身を投じたわけだ!
まったく日本では、おそらく『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)のイメージしかないが、日本のファンも腰を抜かすに違いない。「そうだね(笑)。来年の5月に新しいXメンが来るよな? それは以前の彼のイメージで、ナイスマンのほう。オレたちにとって『フィルス』こそ彼のベストで、イギリスの評価もそうだと思っているよ(笑)」と悪い顔をするベアード監督。ちなみにマカヴォイの好演は評価され、英国インディペンデント映画賞で主演男優賞受賞! 来たるクリスマス、アベックで観に行ってほしいですわ!
映画『フィルス』は、渋谷シネマライズほか全国公開中!
【参照リンク】
・『フィルス』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/filth/
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