12月2日に発表された『2013 ユーキャン新語・流行語大賞』。世間一般の流行語が選ばれるこの大賞ですが、「ネット流行語」・「アニメ流行語」などといった大賞もあるように、流行語というのは年代や職種、趣味嗜好の属性などによって違いが表れるもの。12月6日に発表されたそんな「〇〇流行語」が、「ママ流行語」です。
これは、サイバーエージェントが運営する"ママ"向け情報サイト「Ameba mama(アメーバママ)」が、同サイトの会員626名のママたちに向けて実施した「あなたにとっての、2013年の『ママ流行語』を教えてください」というアンケートをもとに集計され、ランキング形式で発表されたもの。
「ロイヤルベビー」(2位)や「スマホ育児」(7位)といった時事性のある言葉のランクインが見られますが、ランキング全体から浮かび上がってくるのは、やはり子育てをめぐる環境の過酷さでした。
9位に「ママカースト」、6位に「ベビーカー論争」、3位に「産後クライシス」と、子供とともに過ごす生活の中で出てくるママたちの悩みを表すような言葉が複数ランクイン。そして、1位なったのは、「ギャン泣き」という言葉。これは、赤ちゃんが"ギャンギャン"泣きわめくことを指す言葉であり、子育て中の女性たちの日常会話では頻繁に使われているようです。
言うまでもなく、赤ちゃんは言葉を理解できない。よって、泣き止んで欲しい時でも「ギャン泣き」を止めることができず、近所迷惑を考えたり寝不足になったりしてしまうことでストレスが溜まる。言葉の響きこそポップな印象がありますが、「ギャン泣き」という言葉が誕生し、ママたちのあいだで流行した背景には、そのような閉鎖的で過酷な子育て生活があるのかもしれません。
同サイトでは、そんなママたちの葛藤を反映するようなアンケート結果も公開されています。その質問内容は、「お子さんがいうことを聞かないとき、思わず手をあげてしまいそうになったことある?」というもの。12月6日現在、367人のママがこの質問に回答しており、結果は以下のようになっています。
〇はい:81.2%
〇いいえ:18.8%
実に、8割以上の人が手をあげる、つまり家庭での体罰を考えたことがあるという結果になっています。回答者たちが同アンケートを受けて書いたブログを見てみると、「はい」と答えた人たちの中には、「実際に手をあげたことがある」と明かしている人が多く、
「これは非常に悩んでいた事のひとつです...」
「理想と現実は違う」
「母親も人間。どうしても爆発しちゃうときってあると思う」
「叩いた後のあの気持ちってすごく嫌でした。何度叩いて何度抱きしめたか...」
など、家庭で体罰を行ったことへの反省や後悔の思いが様々に綴られていました。なかには、そのことから「自分はダメなママなのでは?」という思いに駆られ、心療内科に通った人や自己嫌悪に陥ったという人も。体罰をしてしまったことを恥ずかしく感じ、誰にも相談したり打ち明けたりすることができなかったようです。
しかし、80%の人が「はい」と答えているということは、それだけ大多数の人が同じような思いを持ったことがあるということ。「いいえ」と回答した人の中にも、そのような思いを全否定する人はほとんど見られず、「手をあげるのであれば、頭ではなくせめてお尻にしてあげましょう」などとアドバイスを書いています。
最近ではだんだんと広く知られるようになってきましたが、子育てに悩むママに対して、各自治体は手厚い支援を行っています。悩むママたちには是非、そのような自治体のサービスを活用してもらい、また社会全体も、ママたちが明るく子育てに励めるような環境を作っていきたいものですね。
【参照リンク】
・ameba mama
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