普通列車は停車して、特急列車は停車しない駅は全国に沢山あります。では、逆に、特急列車は停車するにも関わらず普通列車は停車しないというビックリ駅があるのをご存知でしょうか。
その駅とは、北海道にある石勝線（南千歳－新得）の「占冠駅」と「トマム駅」。このどちらの駅も、普通列車は停車しません。停車するのは特急列車のみ。さて、どのようなカラクリでこうなっているのでしょうか。
特急列車といえば特急料金も必要。そんな割高な駅があっていいのでしょうか。このカラクリの答えが書籍『北海道「地理・地名・地図」の謎』で紹介されています。
「なぜ、このような奇妙な駅が存在するかというと、石勝線が石狩と十勝、釧路を東西につなぐための通り道としてつくられた路線だったことが理由として挙げられる。
もともと沿線は人口が少なく、一般住民の需要が見込めないルートだったのだ。そのため、新夕張駅から根室本線との合流地点までのあいだは、占冠駅とトマム駅しかない。トマムは有名なリゾート地で、観光客が多数やってくるものの、特急列車さえ停まれば需要を果たすということになり、結局、この区間に普通列車は運行されなかったのだ」
さて、ここで気になる特急料金ですが、通常、特急列車に乗る場合は、乗車券のほかに特急料金を加算しなければいけません。観光客ならそれも納得ができますが、一般の住民はそうもいきません。隣の駅まで行くのに毎回特急料金を払うのは負担になります。
その問題については、新夕張駅－新得駅のあいだで乗車する場合に限り、通常の乗車料金だけで特急列車に乗ることができるという特例措置がとられているとのことです。これなら安心して利用できますね。まさかの普通列車が停まらない駅でしたが、事情がわかると「なるほど！」と思えるようなビックリ駅でした。
【書籍データ】
・『北海道「地理・地名・地図」の謎』 北村 崇教（監修）・本郷 敏志（監修） 実業之日本社
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