東京ガスやパナソニックなどが製作した「感動的なCM」が、ネットを中心に話題となったことがあった。CMでリアルに作り込まれたドラマに感動した人も多いかと思うが、こうした感動エピソード、実は普通の人の生活にこそ埋もれている。最近、そんな「普通の生活」の中のエピソードを集めたサイトができたのだが、これがなんとも「じんわり来る」のだ。
公式サイトより
サイトは靴クリームの会社「コロンブス」の、「~ありがとうの気持ちを込めて~大切な人の靴をみがこう」というキャンペーンのもの。「皆様がみがいた"大切な人の靴"の写真と、その靴にまつわるエピソードを募集します」とのことで、一般の人から靴に関する様々な話を募集、掲載している。字数は140文字と短いながら、なかにはグッとくる作品もあるのだ。今回はその中からいくつかを紹介したい。
ひとつめは、厳しい状況にありながらも家族の暖かさを感じさせてくれる作品。
「1年ほど前、主人が突然リストラされました。ショックだったと思いますが、一切愚痴を言わずに就職活動を始めました。ある日、主人の革靴を見ると、どれも踵に修繕の跡が見え、中敷きも変わっていました。毎日、一生懸命に歩き回ってくれているのです。私は感謝の気持ちを込めて主人の靴を磨きました」
奥さんが靴磨きに込めた想いが伝わる作品だ。一方で、男性側が女性の靴を磨いてくれるパターンもあるようだ。
「大事なプレゼンの日の朝。駅のホームでふと足元を見ると、靴がキレイに磨かれているのがわかった。夫が自分の靴を磨くふりをしながら、私の靴も磨いてくれていたのだ。家でもプレゼンの練習をする私を、夫はそっと応援してくれていることを、駅のホームで心強く感じた。今日は早く帰って、肩もみしてあげるからね☆」
職場でがんばるご夫婦が、互いに支え合っているのが分かる作品。また、靴にまつわるエピソードは夫婦間に限ったものではない。
「娘の受験当日、親はそわそわするだけで何も出来ない。何をして良いかも分からない。しっかり地に足をつけてがんばれと込め、一生懸命靴を磨きました。何度も何度も...」
簡潔ながらも、親の思いが伝わってくる文章。自分の時も親はこんな気持ちだったのかな、とつい思いを馳せてしまう。最後は、靴に関わる職人さんの作品。
「昨年、念願だった紳士靴の専門店に就職しました。僕らスタッフは靴をより長く愛用していただきたいと、当店でお買い上げに関わらず、靴磨きのサービスをさせていただいております。磨き方の説明を感心そうに聞いていただいたり、磨いた後の靴を見て驚く顔が楽しみでついついサービスし過ぎてしまいます」
こんな思いで磨いてくれているのかと思うと、ついうれしくなってしまうエピソードだ。
普段は目の行き届きづらい靴だけに、それを「磨く」行為には相手を思いやる気持ちが詰まっている様子。実話なだけに、どのエピソードも心が温かくなるようなものばかりだ。サイトではこのほかにも多数の靴にまつわるエピソードを掲載。親として、子として、妻として、夫として、様々な目線で描かれた話を読むと、靴から感じるものも変わってきそうだ。
【参照リンク】
・「~ありがとうの気持ちを込めて~大切な人の靴をみがこう」
http://www.columbus.co.jp/columbus_day2013/index.html
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