『クズ肉を固め、脂身、柔軟剤を注入した「成型肉」が大量流通 食中毒 発がんリスク』『「激安ニセモノ食品」が危ない』
こちらはとある週刊誌での見出し。格安焼肉チェーン店各社を取材した時のものです。かなり刺激的なものですが、安くて手軽な食品が巷にあふれるようになり、消費者としても「食の安全」は身近な問題となっており、多くの雑誌やTVなどで取り上げられています。
書籍『加工食品の危険度調べました』(渡辺雄二著)では、どの家庭にもある143品目を買ってはいけない食品と買ってもいい食品に仕分けして、注意を喚起しています。
そのなかで、多くの日本人が愛している牛丼チェーン店の商品についても仕分けが行われています。
まず、松屋の「牛めし」。こちらは、化学調味料、人工甘味料、合成着色料、合成保存料の不使用を大々的に宣伝しているので、安心しやすいメニュー。ただ、他の調味料が使用されていないか不明のため、著者で科学ジャーナリストの渡辺氏が松屋に直接問い合わせました。すると、「牛めしの原材料は、牛肉、たまねぎ、ご飯、それからタレを使っています。ポスターにあるように、化学調味料、人工甘味料、合成着色料、合成保存料は一切使っていません。それから、そのほかの合成添加物も一切使っていません。また、天然添加物も使っていません」とのこと。
公にしている宣伝文句や消費者への問合せ対応から判断して、「食べても良い」メニューと同書では紹介されています。
一方、吉野家の「牛丼」。こちらの製法は、松屋とは逆に一切公開されていません。そこで、同様に問い合わせたところ、その返答は「原材料につきましては、牛肉、玉ねぎ、タレがございますが、大変申し訳ございませんが、タレの材料につきましては、企業秘密でございますので、詳細は公表しておりません」というものでした。
これに対し渡辺氏は、競合他社があるために公表できない事情は理解できるとしながらも、他社にあった「消費者に対して情報公開を行う」「消費者の疑問に真摯に対応する」といった姿勢は吉野家から感じることができなかったそうです。
やはり消費者としては安全を確信して食品を口に運びたいもの。消費者への情報公開があると安心して食べることができるのですが、「企業秘密」を理由に情報公開を行わない吉野家の牛丼に関しては、渡辺氏は疑問を持っているようです。
今回の仕分けでは、松屋の「牛めし」は○、吉野家の「牛丼」は×という結果となりました。牛めしも牛丼も長く日本人に愛されている味です。できることなら、どちらも安心して食べたいというのが、消費者の本音ではないでしょうか。
【書籍データ】
・『加工食品の危険度調べました』 渡辺雄二著 三才ブックス
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