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「私の先輩、すごくかわいいの」は間違った日本語?

2013/10/13 16:30 投稿

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正しい日本語を使うことは、就職活動やビジネスの場で必要不可欠。また、恋愛や結婚の相手選びの際にも、参考になる場合もあるでしょう。

しかし、その「正しい日本語」というものは、非常に難しいもの。「言葉は時代と共に変わる」と言われますが、本来の意味を知っているのと、知らないでは、語彙力として大きな差があるといえます。

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「ことばおじさん」の愛称で親しまれた、NHKの元エグゼクティブアナウンサー・梅津正樹氏の著書『知らずに使っている実は非常識な日本語』では、このような例文が紹介されています。

「宝くじを買ったけれど、3億円当たれば御の字だ」

この日本語に違和感はありますか?

「3億円も当選して、『ほどほどで満足』とは何事だ!と思うのでは」と、梅津氏は投げかけます。しかし、「御の字」は、元々は「大いに有難い」といった意味。つまり、この文は、「3億円が当たったらとても満足だ」となるのです。ですので、何も間違ってはいません。

この例文について、文化庁も調査をしたことがあるようです(平成20年度)。すると、この本来の意味とは違う「ほどほどで満足」に、「一応、納得ができる」と解釈している人が半数を超えました。

「言葉は変化していくものですので、自分とは違うからと言って、一刀両断に切り捨てるのもいかがなものかと思います。若者言葉の中にも、昔から使われている表現を踏襲しているものもあるため、耳ざわりに感じる言葉が、実は正しいと捉えられることもあるのです」(梅津氏)

例えば、「今日のライブ、本当にやばかった」。「やばい」は本来、危険である様を表す言葉です。しかし、最近では「かっこいい」「素敵」といったポジティブな言葉として使われます。英語の「COOL(冷たい)」はかっこいいという意味で使われています。「言葉の意味が広がる」現象はどの言葉にもあると梅津氏は言います。

「私の先輩、すごくかわいいの」は、いかがでしょう。最近では何にでもかわいいが使われるようになりましたが、やはり目上の人に対して使う言葉としては不適切。教養を疑われるので、「素敵」など、他の表現を考えた方が良いとアドバイスしています。

また、「この本が、面白すぎる」。「○○すぎる」は、「食べすぎる」「飲みすぎる」など、本来、マイナスな表現として使われてきました。しかし、最近では、「美人すぎる」「天才すぎる」といった、新たな表現が浸透しつつあります。こういった使われ方は、新しい強調語として浸透しているため、この例文もあながち間違いではないと、梅津氏は言います。

これら、どちらともいえる言葉は、変化の過渡期にある日本語。もし、正しい日本語として浸透した場合でも、本来の意味も頭の片隅に置いておいた方が、幅広い世代と交流ができることでしょう。

変化の過渡期にある言葉が、将来浸透するか、もしくは排除されるかは「その規範をつくるのは、日々、日本語を使って暮らす皆さんです」(梅津氏)。

【書籍データ】
・『知らずに使っている実は非常識な日本語』 梅津正樹著 アスコム

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