恐ろしい"アンデッド"たちが怒涛のごとく迫りくる!! これまでにも『ドーン・オブ・ザ・デッド』など速い動きのゾンビは現れたが、『ワールド・ウォーZ』のゾンビはそれらの比じゃない! 速さもそうだが、何しろ規模が違う。ブラッド・ピット主演最新作の本作でブラピと共にプロデューサーを務めるデデ・ガードナーが来日。『食べて、祈って、恋をして』や『ツリー・オブ・ライフ』といった作品を生み出してきた彼女への単独インタビューに成功した!
本作が通常のゾンビものと大きく違うのは、終末思想漂う未知のウィルスによる、近い未来に実際に起こりうるかもしれないパンデミックものだという点。そして世界を救うために立ち上がるその人こそがブラピであり、本作はブラピ映画史上、全米で最高のオープニング記録を叩き出した!
「楽しんでもらえたかしら?」とフランクに話し始めたデデ・ガードナーは知的な雰囲気漂う女性。ブラピが当時の妻だったジェニファー・アニストン(もちろん今、ジェニファーは抜けている)と2002年に立ち上げた製作会社プランBエンターテインメントの社長である。「日本はとても映画好きな人が多い国よ。重要なマーケットね。だからこそ、日本でつまらない作品は出せない」と言い切る姿が何か(女性だけど)男らしい。
本作は人気小説がベースだが、複数の人物が自分の体験した出来事を語る形式のため、いわゆる"主役"がいない。つまり、映画版でのブラピの立ち位置だ。「7年前に小説のゲラを読んだの。その時から映画化を考えていたけれど、実際に映画にするには色々変えなければならなかったわね。まずは主役を作らないと(笑)。原作では世界中で様々な人が、そこの文化を交えながら語っていく。そうしたレポートを書くことのできる主人公は誰だろうと考えたの。それは多くの国で多くのことを見て、経験してきた人に違いない。だから、国連の捜査官であるジェリーが生まれたのよ」。
正確に言うと、ブラピ扮するジェリーは"元"国連捜査官。今は家庭人として朝はパンケーキを焼き、家族を車で送り出す平和な日々を送っている。そこに降って沸いた世界の危機。国連を追われるようにして後にしたにも関わらず、彼は呼び戻され、世界を救うヒントを探しだす任務のため、家族と引き離されてしまう!
興味深いのは、ジェリーがヒーローヒーローしていないこと。たとえばこれがトム・クルーズだったり、シュワちゃんだったり、ブルース・ウィリスだったならば、観客は「主人公、絶対に生き残るよね。どんな場所に行ったって、スーパーな活躍を見せてくれるよ」と頭のどこかで思ってしまう(しまうというとマイナスに聞こえるが、それはそれで彼らの魅力)。だがブラピの場合は、生活へのリアリティが伴い、母性本能くすぐる危うさも持ち合わせているため、「あぁ、ブラピ、大丈夫?」と一緒になってハラハラしてしまうのだ。
ガードナーも頷く。「実際にそこにいるような普通の人として自然に見られるというのは、その通りね。ここ数年で、とくに自然な雰囲気が増しているんじゃないかしら」。これは実生活の充実もそうさせているのだろうか(邪推)。そうそう、タイトルのZとはアルファベットで最後、つまりは世界の終りを意味する単語であり、ゾンビ(zombie)の頭文字でもある。
ところでブラピとアンジェリーナ・ジョリーの長男マドックスくんが、Z役でカメオ出演していると伝えられたこともあったが、本当なのか。「えぇ、確かにZ役で出ているわ。もともと出る予定だったのか、たまたま現場に遊びに来たときに出ることになったのか、経緯までは分からないけれど、いずれにしろとても楽しんでいたんじゃないかしら」。その場には、ひょっとしたらアンジーもいたのかも。
ビジネスパートナーとしてのブラピの話も伺おう。「私はもともとパラマウントにいたの。でもそこでの仕事はもうやり尽くしたかなと思っていて、そろそろ出たいと思っていたのよ(笑)。そんなときに、知人に紹介されて知り合ったの。ブラッドはとても素晴らしいパートナーよ。一緒に仕事をして10年ほどになるけれど、彼は人に気を使って、とても丁寧に仕事をする。映画と映画人に対する愛情から来ているのね。だから作られた映画も長く愛して欲しいと思っているの。たとえオープニングのときに観られなかったとしても、後からでもいいから観て欲しいと願っているのよ。本当に映画が好きなの。だから彼と仕事をするのは私の誇りでもあるわ」。
とはいえ、当初、俳優であるブラピが立ち上げた会社に参加することに迷いはなかったのだろうか。「最初に、プランBは彼のために作る会社ではない、ちゃんとした製作会社にしたいと彼が言ったのよ。もちろん今回のように彼が出ている作品もあるけれど、プロデューサーとしてだけ参加している作品もある。常に、製作会社としてのアイデンティティを持っていること、それが私たちの考えなのよ」。
ちなみにブラピの素顔についても聞いてみたのだが......。「彼は別に謎めいた人じゃないわ。これまで自分の考えに忠実に決断をしてきて今の彼が形成された。自分の信じていることに素直に生きている人。だから皆さんが目にするままの人物よ。私だから知っている顔なんてないわ」となんだかはぐらかされてしまった。残念。
さて、『ワールド・ウォーZ』は三部作だとも続編があるとも言われている。そこで最後に続編はあるのか聞いてみた。帰ってきた言葉は、「Maybe. たぶんね」。実にプロデューサーらしい答えだ(笑)。
『ワールド・ウォーZ』は8月10日(金)より全国ロードショー
【参照リンク】
・『ワールド・ウォーZ』公式サイト
http://www.worldwarz.jp/
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