2008年公開『ハート・ロッカー』で、アカデミー賞最多6部門を受賞した監督キャスリン・ビグロー&脚本家マーク・ボール。そんな最強コンビが新たにタッグを組んだ最新作『ゼロ・ダーク・サーティ』が、本年度アカデミー賞で作品賞ほかオスカー5部門にノミネートされ、早くも話題となっている。
本作は、忌まわしきアメリカ同時多発テロ事件の首謀者・ビンラディンの捕獲作戦の裏側が描かれたサスペンス超大作。難航する捜査に投入された期待の若きエリート・CIA情報分析官マヤは、天才的な感覚と異常な執念で、ビンラディンの隠れ家を発見。ところが、彼女が断言する確率100%に同意する者はいない。果たして、CIAが、そして最後に大統領が下した決断とは──?
2006年、監督キャスリン・ビグロー&脚本家マーク・ボールは、トラボラで失敗したビンラディン捕縛作戦についての映画を企画。その後、二人は『ハート・ロッカー』を完成させ、共にアカデミー賞を始め数々の賞を受賞し、2011年ついに本作の製作をスタートするも5月1日にビンラディンが殺害されたため、その企画はボツになり、一からやり直すことになった。
ボールはワシントンへと飛び、そこで数カ月間にわたって、関係者へのインタビューを敢行。その後パキスタンと中近東の他の国々を旅しながら物語のヒントを追い求めた。歩き回って情報を掴みながら、ほぼ全て実際に事件に関わった人々の経験談をもとに脚本を完成。軍関係や諜報機関など機密機関の人間関係がきちんと描かれているのも、世界にまたがる取材の成果である。
拷問に関しても事実の一部としてストーリーに組み込んだ。「目をつぶりたくなるような光景だったが、映画監督としては出来事をありのまま伝える責任があると感じた」とビグロー監督は語った。
このように地道な情報収集を基に作られた本作は、拷問のシーンに関して「不適切な情報提供」があった疑いで、アメリカ上院情報特別委員会の調査対象になってしまった。事実に忠実過ぎたのが問題だった、、かは不明だが、調査を入れるほど国家が重要視している映画である事は間違いない。
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ストーリー:9.11の首謀者とされる国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンの捕縛・暗殺作戦に、CIAの若き女性分析官マヤ(ジェシカ・チャステイン)が投入される。彼女は一体どのような計画が立て、任務を遂行していったのか。衝撃の真実が明かされる
監督: キャスリン・ビグロー
キャスト: ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク ほか
上映時間: 158分
2012年/アメリカ
2013年2月15日(金)よりTOHOシネマズ有楽座他、全国公開
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