様々なアイデアを持ったアーティスト、デザイナー、エンジニアなどの "想像" を実現するために1984年に発足した非営利団体「TED」では、出資者やメディアに向けて、作家達がアイデアのプレゼンを行う場を提供している。
そのTEDが毎週金曜放映している番組「TEDWeekend」内の<TEDTalk> と題されたコーナーでは、作家達の持つアイデアを取り上げ、本人に番組出演してもらい、プレゼントークを行わせる。さらに、毎回出演者にはブログを投稿してもらうことによって、より多くの目に触れる機会が与えられるのである。
今回は、同番組の出演者として登場したジャネット・エクルマンがブログに綴った記事を以下にて紹介しよう。彼女はアート作家としての経験はわずかながら、漁に使われた古い網を使って空中に巨大な模様(造形物)を生み出すというスケールの大きな作品を作り続けている人物だ。
「TEDTalk」でのプレゼンは、ボランティア達によって33ヵ国語にも翻訳され、世界中に広めることが出来ます。アメリカからアラビア語、トルコ語、ベトナム語などに翻訳され、世界中からコメントまで届くのです。伝え聞く所によると、スペインの少年院でも私のプレゼンが上映され、普段はじっと最後まで話を聞きたがらない血気盛んな少年達さえも、見終わった後に拍手してくれたのだそうです。私のアイデアを純粋に面白いと感じてくれたからかもしれません。まさか私の作品作りがそんな風に世界中へ広まることになるとは夢にも思っていなかったので、本当に衝撃的でした。
私がこのアイデアを思いつき、作品のコンセプトを練り上げるのには実に10年近い年月がかかりました。大掛かりな作品なので材料の確保も困難だったり、展示スペースも公共の場所にしたかったので許可が必要だったりと実に多くのハードルが待ち構えていました。でも作家にとってまず肝心なことは、何があっても妥協しないという姿勢なのです。
フィラデルフィア市役所での大型展示を始め、今後も世界中の都市に空中造形作品を展示してゆく予定です。都市と大型アートの融合を夢想し、そしてその実現過程で多くの専門家達と協力しあい、天候や風土、時間の経過、人々の生活と共存していくだけの耐久性を持った作品作りを進めます。
インスピレーションと夢に忠実であるため、幾多もの大変な思いをしてきました。それを今回番組でお話ししたわけです。そしてプレゼンを終え、ステージを降りると、なんと企業関係者やデザイン事務所の社長など、何人もの方々が私の夢の実現のために、協力を申し出てくれたのです。私たちはこれまで新しい作品作りのためのツールや方法を模索していました。そして、今回のタイミングで多くの過多が手を差し出してくださったおかげで、次のステップへの大きな足がかりが出来たのです。
折に触れて私はピカソの "インスピレーションが私を発見した時、私は彼女の仰せの通りにするだけだ" という言葉を思い出します。
アイデアというのは、発見されるときをただ待つだけでなく、そのアイデアを共有してくれる人々を捜しているのだ。「TEDWeekends」では毎週、今最も注目すべきアイデア達に脚光を当て、リアルタイムで実現を可能にしていく。#TEDWeekendsのハッシュタグをつけてツイートを広めよう。
■関連リンク
世界で最も大きな展示スペースを持つ写真家JRが次に東北で行う事とは?
まるで雲の上を散歩!?ふわふわなシートの上を歩く新感覚アート
■関連フォトギャラリー
Permalink
| Email this | Comments