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Sugar時代の名盤『Copper Blue』から20年。再びトリオ編成に戻ったボブ・モウルドがリリースした新作は、ノスタルジアなどみじんもない、ディストーションとエッジに満ちた、ただただ最高なロックアルバムだった。
ニュージャージー出身の彼らが最高なのは、マリーザの震えるようなボーカル、ファズの効いたメロディライン、誰の助けも必要ないと言わんばかりの孤高性とタフネス、つまりこのバンドの全てが最高だからだ。
アトランタのベテランによるハードボイルドなキャリア最高傑作。自身のルーツに立ち戻るかのようなプロダクションと、人種差別、警察、暴力、政治を取り上げた社会派なリリックはまるでN.W.A.黎明期のような空気。他のラッパー達がEDMなどと戯れていたこの1年の間に、頭一個抜け出た存在であることを証明した。
彼女が誰の妹であろうと、そのアーティスト力は本物である。思うままにはならない愛と人生に向き合う彼女の歌が、偉大な姉ビヨンセの影に隠れてしまうことはないだろう。愛らしく、誠実な彼女の"真実"が切り取られた渾身の作品。
全てを自分のやり方で貫いてきたジャックだが、自分の名前を冠した作品を世に送り出すためにはこれまでの積み重ねが必要だったのだ。常に他のアーティストやバンドメイト、他者からの刺激を受けて名曲/名作を連発してきた彼が、ついに1人になり生み出したこの作品は、少なくともこれまでで1番振り幅の大きい、満を持しての野心作である。
嘗てManitobaと名乗っていたダン・スナイスは、とある中年パンクロッカーに訴訟を起こされCaribouという名義に変更し、活動をしていた。その彼が今度は自分の意志で別名義を立ち上げ、今年最もエキサイティングなEDMサウンドを届けてくれたのだ。レディオヘッドの前座を務めるツアーの最中、夜中にDJを並行して行っていたらしく、その際の活動がきっかけとなったとのこと。
ハリウッドのゲイ放浪者をテーマにしたレトロ・インスパイア作品の中では史上最も優れた作品だろう。そもそもそんなジャンルがあるのだとしたら、の話だが。元フリート・フォクシズのJ.ティルマンがマッシュルームの力を借りて夢想するおかしくも詩情に満ちたキャラクターとその世界は、今年最高のサプライズであった。
新作を出す度に過去の作品と比べられるのが中堅バンドの宿命だが、シンセポップを演奏するトロント出身の4人組によるこの作品は、まるで新曲だらけのグレーテスト・ヒッツのよう。政治色強いテーマもエミリー・ヘインズの手にかかればポップでひねりの利いたポエトリーに。
誰がダンスミュージックと政治とヒップホップをこんなに上手くミックスできるなんて思ったろう?Doomtree MCの4枚目のソロアルバムは、暴動やダンス対決を煽動すると同時に、社会、政府、資本主義などに対して中指を突き立てる。 言ってみればこれは、火炎瓶を投げた後に、クラブで腰を突き出して踊る、その完璧な記録のようなものだ(ダン・ライリー)
正式な音楽教育を受けたミュージシャン達によるロックバンド。共存不可能に見えるいくつものジャンルを融合させながらも、ロックバンドたりうるという奇跡のような存在だが、今作も複雑でありながら、聴く歓びに満ちた"アヴァンギャルド"な作品である。
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<Spinner>と<AOL Music>編集部が選んだ2012年の傑作アルバム・ベスト50、今回は20位から11位までを紹介します。
20.ボブ・モウルド『Silver Age』
Sugar時代の名盤『Copper Blue』から20年。再びトリオ編成に戻ったボブ・モウルドがリリースした新作は、ノスタルジアなどみじんもない、ディストーションとエッジに満ちた、ただただ最高なロックアルバムだった。
19.スクリーミング・フィメイルズ『Ugly』
ニュージャージー出身の彼らが最高なのは、マリーザの震えるようなボーカル、ファズの効いたメロディライン、誰の助けも必要ないと言わんばかりの孤高性とタフネス、つまりこのバンドの全てが最高だからだ。
18.キラー・マイク『R.A.P.Music』
アトランタのベテランによるハードボイルドなキャリア最高傑作。自身のルーツに立ち戻るかのようなプロダクションと、人種差別、警察、暴力、政治を取り上げた社会派なリリックはまるでN.W.A.黎明期のような空気。他のラッパー達がEDMなどと戯れていたこの1年の間に、頭一個抜け出た存在であることを証明した。
17.ソランジュ『True』
彼女が誰の妹であろうと、そのアーティスト力は本物である。思うままにはならない愛と人生に向き合う彼女の歌が、偉大な姉ビヨンセの影に隠れてしまうことはないだろう。愛らしく、誠実な彼女の"真実"が切り取られた渾身の作品。
16.ジャック・ホワイト『Blunderbuss』
全てを自分のやり方で貫いてきたジャックだが、自分の名前を冠した作品を世に送り出すためにはこれまでの積み重ねが必要だったのだ。常に他のアーティストやバンドメイト、他者からの刺激を受けて名曲/名作を連発してきた彼が、ついに1人になり生み出したこの作品は、少なくともこれまでで1番振り幅の大きい、満を持しての野心作である。
15.Daphni『JIALONG』
嘗てManitobaと名乗っていたダン・スナイスは、とある中年パンクロッカーに訴訟を起こされCaribouという名義に変更し、活動をしていた。その彼が今度は自分の意志で別名義を立ち上げ、今年最もエキサイティングなEDMサウンドを届けてくれたのだ。レディオヘッドの前座を務めるツアーの最中、夜中にDJを並行して行っていたらしく、その際の活動がきっかけとなったとのこと。
14. ファーザー・ジョン・ミスティ『Fear Fun』
ハリウッドのゲイ放浪者をテーマにしたレトロ・インスパイア作品の中では史上最も優れた作品だろう。そもそもそんなジャンルがあるのだとしたら、の話だが。元フリート・フォクシズのJ.ティルマンがマッシュルームの力を借りて夢想するおかしくも詩情に満ちたキャラクターとその世界は、今年最高のサプライズであった。
13. Metric『Synthetica』
新作を出す度に過去の作品と比べられるのが中堅バンドの宿命だが、シンセポップを演奏するトロント出身の4人組によるこの作品は、まるで新曲だらけのグレーテスト・ヒッツのよう。政治色強いテーマもエミリー・ヘインズの手にかかればポップでひねりの利いたポエトリーに。
12. P.O.S.『We Don't Even Live Here』
誰がダンスミュージックと政治とヒップホップをこんなに上手くミックスできるなんて思ったろう?Doomtree MCの4枚目のソロアルバムは、暴動やダンス対決を煽動すると同時に、社会、政府、資本主義などに対して中指を突き立てる。 言ってみればこれは、火炎瓶を投げた後に、クラブで腰を突き出して踊る、その完璧な記録のようなものだ(ダン・ライリー)
11.ダーティー・プロジェクターズ『Swing Lo Magellan』
正式な音楽教育を受けたミュージシャン達によるロックバンド。共存不可能に見えるいくつものジャンルを融合させながらも、ロックバンドたりうるという奇跡のような存在だが、今作も複雑でありながら、聴く歓びに満ちた"アヴァンギャルド"な作品である。
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