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ループを多用したユニークなギターと70年代のグッドヴァイブ、2012年を自由に行き来するかのような自由な音楽性だ。片目で過去を見、もう一方で未来を見据えているこの作品は、ふざけているように見えるが実は深い。21歳のマックは、まるで子供がはしゃいでいるかのように見せておいて、本当は底知れない才能の持ち主だ。
デビューから1年足らずで発売した2枚目。ブラック・キーズのパトリック・カーニーによるプロデュースワークも秀逸な好盤だ。ソングライティングの妙味が光る一方で、どの曲も同じに聴こえかねない彼らのサウンドに絶妙な効果をもたらしている。
ケンドリック・ラマーが2012年ヒップホップ界のサクセスストーリーなら、スクールボーイ・Qはひたすら薄暗い裏道を歩き続けるワイルド・サイドの男。乾いたユーモアと飢えと獰猛さを讃えているのだ。西海岸の同胞達による客演も光る1枚。
イングランド出身の彼らのデビュー作が、ブルーグラスやカントリーへの憧れと幻想、そして文学からの影響による賜物だったとしたら、今作はより宗教的で信仰心のようなものが鍵となっている。メッセージは歌の表面ではなく深い所に隠されているが、マーカスによる告白的な歌は聴く者の共感を得ている。
怒りと孤独と性急なビート、うねるギターとアルビニによる生々しいミックスで、全ての人々の中の年老いゆくパンクスを蹴り起こすポスト・ハードコア。
サイケなサウンドとメロディ、複雑なハーモニーで知られる彼ら。前半はその評価に倣うように見事な実験的ロックをならすも、後半はブルックリンのディープな世界、ミニマルでアヴァンギャルドな側面を露にする。彼らなりの地元への落とし前だ。
本当に良いプロデューサーとは、そのアーティストの1番良い部分を引き出せるもの。ボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンがやったのは、まさしくそれである。前作は良かったが今作は"グレート!"だ。
サンプリングやシンセで生み出されるサウンドは、その素性よりも神秘的で暗い魅力に満ちている。不穏な詩情と子供のような純粋さと無邪気な混乱に満ち、無意識に訴えかけてくるような作品だ。
ナッシュヴィル発のガレージバンド。地元シーンの中心人物で精神的な支柱であるダニエル・プジョルによるこのプロジェクトは、まるでT・レックスの息子による父親越えのアルバムのようだ。来年も爆音で聞きたい1枚。
イギリス人女性フォーク・ソウルSSWのデビュー作。ニーナ・シモン、ローリン・ヒルらの影響が伺えるが、ただただ素の彼女が切り取られた好盤である。壮大なバラードには向かない声かもしれないが、静かに耳を傾けてみれば、彼女の言っていることちゃんと聴きたくなるはず。
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<Spinner>と<AOL Music>編集部が選んだ2012年の傑作アルバム・ベスト50、今回は30位から21位までを紹介します。
30. マック・デマルコ『2』
ループを多用したユニークなギターと70年代のグッドヴァイブ、2012年を自由に行き来するかのような自由な音楽性だ。片目で過去を見、もう一方で未来を見据えているこの作品は、ふざけているように見えるが実は深い。21歳のマックは、まるで子供がはしゃいでいるかのように見せておいて、本当は底知れない才能の持ち主だ。
29. テニス『Young & Old』
デビューから1年足らずで発売した2枚目。ブラック・キーズのパトリック・カーニーによるプロデュースワークも秀逸な好盤だ。ソングライティングの妙味が光る一方で、どの曲も同じに聴こえかねない彼らのサウンドに絶妙な効果をもたらしている。
28. スクールボーイ・Q『Habits & Contradictions』
ケンドリック・ラマーが2012年ヒップホップ界のサクセスストーリーなら、スクールボーイ・Qはひたすら薄暗い裏道を歩き続けるワイルド・サイドの男。乾いたユーモアと飢えと獰猛さを讃えているのだ。西海岸の同胞達による客演も光る1枚。
27. マムフォード・アンド・サンズ『Babel』
イングランド出身の彼らのデビュー作が、ブルーグラスやカントリーへの憧れと幻想、そして文学からの影響による賜物だったとしたら、今作はより宗教的で信仰心のようなものが鍵となっている。メッセージは歌の表面ではなく深い所に隠されているが、マーカスによる告白的な歌は聴く者の共感を得ている。
26. クラウド・ナッシングス『Attack on Memory』
怒りと孤独と性急なビート、うねるギターとアルビニによる生々しいミックスで、全ての人々の中の年老いゆくパンクスを蹴り起こすポスト・ハードコア。
25. グリズリー・ベア『Shields』
サイケなサウンドとメロディ、複雑なハーモニーで知られる彼ら。前半はその評価に倣うように見事な実験的ロックをならすも、後半はブルックリンのディープな世界、ミニマルでアヴァンギャルドな側面を露にする。彼らなりの地元への落とし前だ。
24. キャスリーン・エドワーズ『Voyageur』
本当に良いプロデューサーとは、そのアーティストの1番良い部分を引き出せるもの。ボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンがやったのは、まさしくそれである。前作は良かったが今作は"グレート!"だ。
23. ピュリティ・リング『Shrines』
サンプリングやシンセで生み出されるサウンドは、その素性よりも神秘的で暗い魅力に満ちている。不穏な詩情と子供のような純粋さと無邪気な混乱に満ち、無意識に訴えかけてくるような作品だ。
22. Pujol『United States of Being』
ナッシュヴィル発のガレージバンド。地元シーンの中心人物で精神的な支柱であるダニエル・プジョルによるこのプロジェクトは、まるでT・レックスの息子による父親越えのアルバムのようだ。来年も爆音で聞きたい1枚。
21. リアン・ラ・ハヴァス『Is Your Love Big Enough』
イギリス人女性フォーク・ソウルSSWのデビュー作。ニーナ・シモン、ローリン・ヒルらの影響が伺えるが、ただただ素の彼女が切り取られた好盤である。壮大なバラードには向かない声かもしれないが、静かに耳を傾けてみれば、彼女の言っていることちゃんと聴きたくなるはず。
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