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カナダのスーパーグループである彼ら。常に綺麗でわかり易い音楽をリリースし続けて今日の地位にあるのだが、実際彼らにはそれ以上何も必要ないのである。エレクトロな要素やオーケストラルなアレンジ、そしてインディ界最高のボーカル。人生の中で1番エモーショナルな瞬間にふさわしい音楽だ。
前作『Cosmogramma』での音響的構築美を経て、今回はよりジャジーなアピローチに転換。叔父と叔母であるジョン、アリス・コルトレーンへのリスペクトの表明なのかどうかはさておき、今回彼の持つヴィジョンを実現するためにエリカ・バドゥ、トム・ヨークらをゲストに迎え、ストイックでありながら幻惑的な音像に花を添えている。
後期ビートルズ、シン・リジー、スティーリー・ダンなどの影響を伺わせるトロントの4人組。音楽的には何ひとつ新しいことなどないが、だからといって何が問題となるだろう。シンガロング可能なかっこいいサビとコーラスワーク、そしてクラシック・ロックなリフがあれば名盤が出来るのだ。
ニュージャージー州のパンク・バンドである彼ら。コンセプトアルバムだった前作の反動か、今作ではそのむき出しの人生が歌われている。摂食障害や精神病院を歌った内容のものもあるが、それでもバンドのステージング同様、必死さと楽しさの絶妙なバランスが取れたアルバムだ。
ヒップ・ホップの目覚ましい躍進によって、R&Bの世界では"競争よりも実験と開拓"という意識が広まった。それによって頭角を現して来たのがフランク・オーシャンやザ・ウィーケンドだろう。ミゲルは彼ら程の地名度は無いが、前者のメランコリーと不気味さに対する良い意味でのカウンターとして十分な存在感を放っている。プリンスの面影と、サイケでひねりの利いた実験精神の見事な融合だ。
ギャングスというバンドの2人が結成したR&Bの影響を取り入れた実験的なロック・ユニット。冷たくテンションの高い楽曲、挑戦的なリズム処理など、刺激に満ちた内容の作品には、複雑さと洗練さ、そして生々しい美しさが見事に同居している。今年最高のデビュー・アルバムのひとつだ。
カナダの謎めいたエレクトロ・ユニットによる3枚目。アタリ・ティーネイジ・ライオットのフォロワー的な出発に始まり、じわじわとオリジナルな存在感を獲得するに至った。アリス・グラスのボーカルはズブズブと音に引きずり込まれ、歌詞もこれまでよりも一層ドゥームでどす黒いうねりを放っているが、一方でトラックはダンスフロアでも機能できる代物だ。まるで共同墓地に咲いたひまわりのようである。
亡くなった友人に捧げられた1枚。ドメスティック・バイオレンスや虐待、殺戮を繰り返す兵士、社会の腐敗、個人批判などのテーマを取り上げラップしてみせる彼は、どんな挑戦をも受ける覚悟だ。また、ダニー・ブラウンやキラー・マイクといった豪華なゲスト陣にも注目したい通算6枚目のスタジオ・アルバムだ。圧倒的なまでの曲の構成力で複雑かつ物語性のある内容に仕上がっている。まるでこのバンドそのもののような作品だ。
デビュー作でいきなりマーキュリー賞を獲得したことがどれほどのプレッシャーをバンドに与えたことか。しかし元々彼らの音と無音を行き来するサウンドは緊張感に満ちていたと言えるだろう。現在は音の要素が増えてゆくフェーズにあるようだが、そのことは逆に彼らの元来持っているミニマリスト的な音楽性を補強しているかのようだ。
ブルックリンの先鋭と雑多さに紛れて、ウィル・ストラットンは現在最も美しいフォーク・ミュージックを奏でる存在だ。深遠な詩情、ジョン・フェイヒーから連なる自己流のギター、女性コーラスも功を奏し、本当に美しい作品に仕上がっている。
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<Spinner>と<AOL Music>編集部が選んだ2012年の傑作アルバム・ベスト50、今回は40位から31位までを紹介します。
40. スターズ 『The North』
カナダのスーパーグループである彼ら。常に綺麗でわかり易い音楽をリリースし続けて今日の地位にあるのだが、実際彼らにはそれ以上何も必要ないのである。エレクトロな要素やオーケストラルなアレンジ、そしてインディ界最高のボーカル。人生の中で1番エモーショナルな瞬間にふさわしい音楽だ。
39. フライング・ロータス 『Until The Quiet Comes』
前作『Cosmogramma』での音響的構築美を経て、今回はよりジャジーなアピローチに転換。叔父と叔母であるジョン、アリス・コルトレーンへのリスペクトの表明なのかどうかはさておき、今回彼の持つヴィジョンを実現するためにエリカ・バドゥ、トム・ヨークらをゲストに迎え、ストイックでありながら幻惑的な音像に花を添えている。
38. Zeus『Busting Visions』
後期ビートルズ、シン・リジー、スティーリー・ダンなどの影響を伺わせるトロントの4人組。音楽的には何ひとつ新しいことなどないが、だからといって何が問題となるだろう。シンガロング可能なかっこいいサビとコーラスワーク、そしてクラシック・ロックなリフがあれば名盤が出来るのだ。
37. タイタス・アンドロニカス『Local Business』
ニュージャージー州のパンク・バンドである彼ら。コンセプトアルバムだった前作の反動か、今作ではそのむき出しの人生が歌われている。摂食障害や精神病院を歌った内容のものもあるが、それでもバンドのステージング同様、必死さと楽しさの絶妙なバランスが取れたアルバムだ。
36. ミゲル『Kaleidoscope Dream』
ヒップ・ホップの目覚ましい躍進によって、R&Bの世界では"競争よりも実験と開拓"という意識が広まった。それによって頭角を現して来たのがフランク・オーシャンやザ・ウィーケンドだろう。ミゲルは彼ら程の地名度は無いが、前者のメランコリーと不気味さに対する良い意味でのカウンターとして十分な存在感を放っている。プリンスの面影と、サイケでひねりの利いた実験精神の見事な融合だ。
35. Polica『Give You The Ghost』
ギャングスというバンドの2人が結成したR&Bの影響を取り入れた実験的なロック・ユニット。冷たくテンションの高い楽曲、挑戦的なリズム処理など、刺激に満ちた内容の作品には、複雑さと洗練さ、そして生々しい美しさが見事に同居している。今年最高のデビュー・アルバムのひとつだ。
34. クリスタル・キャッスルズ『Ⅲ』
カナダの謎めいたエレクトロ・ユニットによる3枚目。アタリ・ティーネイジ・ライオットのフォロワー的な出発に始まり、じわじわとオリジナルな存在感を獲得するに至った。アリス・グラスのボーカルはズブズブと音に引きずり込まれ、歌詞もこれまでよりも一層ドゥームでどす黒いうねりを放っているが、一方でトラックはダンスフロアでも機能できる代物だ。まるで共同墓地に咲いたひまわりのようである。
33. El-P『Cancer 4 Cure』
亡くなった友人に捧げられた1枚。ドメスティック・バイオレンスや虐待、殺戮を繰り返す兵士、社会の腐敗、個人批判などのテーマを取り上げラップしてみせる彼は、どんな挑戦をも受ける覚悟だ。また、ダニー・ブラウンやキラー・マイクといった豪華なゲスト陣にも注目したい通算6枚目のスタジオ・アルバムだ。圧倒的なまでの曲の構成力で複雑かつ物語性のある内容に仕上がっている。まるでこのバンドそのもののような作品だ。
32. ザ・エックス・エックス『Coexist』
デビュー作でいきなりマーキュリー賞を獲得したことがどれほどのプレッシャーをバンドに与えたことか。しかし元々彼らの音と無音を行き来するサウンドは緊張感に満ちていたと言えるだろう。現在は音の要素が増えてゆくフェーズにあるようだが、そのことは逆に彼らの元来持っているミニマリスト的な音楽性を補強しているかのようだ。
31. ウィル・ストラットン『Post Empire』
ブルックリンの先鋭と雑多さに紛れて、ウィル・ストラットンは現在最も美しいフォーク・ミュージックを奏でる存在だ。深遠な詩情、ジョン・フェイヒーから連なる自己流のギター、女性コーラスも功を奏し、本当に美しい作品に仕上がっている。
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