職場と自宅を往復する日々の童貞こじらせ系男の"人生初めての恋"を描く感動作『箱入り息子の恋』でヒロイン・今井奈穂子を演じた女優の夏帆が、目が見えない設定の女の子を演じるために多くの映画を参考にするなど、地道な努力を重ねて挑戦したことを語った。
夏帆演じる奈穂子は、8歳の時に視力が低下する病気に。以来、ほぼ目は見えず、そのハンデによって過保護な両親の元を巣立てないままだ。そのもどかしい気持ちが強いゆえに、両親や他人にハッキリと意見するが、「その性格は、すごく素敵だなって思ったので、奈穂子に接しやすかったです」と夏帆は難役の突破口を見出したという。「彼女は、思っていることを自分の言葉で伝えます。わたしには苦手なので、うらやましくさえ感じました(笑)」。
「目が見えない方に実際にお会いして、資料を読み、いろいろと勉強して撮影現場に入りました」と奈穂子を演じる上で独自のリサーチを行った。夏帆は、過去の名画も数多く参考までに観たと明かす。「『至福のとき』(02)、『暗いところで待ち合わせ』(06)、『暗くなるまで待って』(67)、『街の灯』(31)などを観ました。主にヒロインが目の見えない作品を参考までに観ていました」。時間が許す限り、奈穂子を知ろうと地道な努力を重ねたのだ。
35歳の童貞男、天雫健太郎(星野 源)が"人生初めての恋"に落ちるわけで、その相手は"相当"魅力的でなければならないが、夏帆演じる奈穂子のファーストルックで健太郎のみならず、観る者は納得確実!それはすべて、若手実力派の確かな演技力が勝因に他ならないが、「自己採点はしないです(笑)」と本人は謙虚。"箱入り息子の恋"が暴走していく理由を、説得力ある演技と表現で創出した夏帆。その姿を観るだけで価値ある一本だ。
映画『箱入り息子の恋』は、2013年6月8日(土)より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
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